河合メンタルクリニック 河合メンタルクリニック


11月

 

土地柄に合った歌

 今日はとても多くの参加者がいる。空オケ《船頭小唄》は大ヒット。皆が自然に口ずさんでいる。《船頭小唄》の歌声にひかれて集まってきたのか‥‥

 地元茨城出身の作詞家野口雨情の手になる。歌詞の内容は自分を押さえて、かつしたたかで‥‥このあたりの土地の人そのものを表わしているのだろう。

 今の老人にとって自分たちの持ち曲みたいなもの。手回し蓄音機、真空管式ラジオ、船の櫓漕ぎと昔の話に花が咲く。「船の棹(さお)は一人前になるのに三年、櫓(ろ)は三月」と○○さんが語る。

 曲から過去、現在、未来と話題がどんどん盛り上がる。曲はセッションの中で、小粒でピリリと辛い調味料の役割を果たしてくれる。

 内科病棟からも寮母に連れられて二人参加。このオープンな場が病院全体の拡がりをみせてくれることになれば良い。

 来週はもう十二月になってしまうが、今日冬枯れの景色の中で歌おうとしている今月の歌《まっかな秋》は季節の移り変りのはやさを皆に感じさせたことだろう。今月の始めはまだ紅葉は‥‥という感じだった。

 

どちらの人生がいい?

 空オケは、「さざんかの宿」。この歌は皆知っていると言って口ずさむ。さざんかの花と椿の花の違いが話題になる。さざんかの花は花びらが開いているので、一枚一枚散っていく。椿の花は花びらがゴテッと固まっているので、散る時も、ボタリと落ちる。どちらの人生がいい?

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