昔、阿寒湖の酋長ピリカメノコの娘セトナとその下僕マニベが、いつしか恋仲となりました。
しかし、マニベが下僕であるために二人の恋ははかなくも破れ、セトナは他の男と結婚することになりました。
婚礼の当夜セトナはマニベを忘れられず、遠くからマニベのかなでる美しい草笛に誘われて湖畔をさまよいでて月淡き湖水に二人は丸木舟をあやつり沖に出て、この世に結ばれぬ運命を故郷の湖底に結ぼうと身を投げたのです。
酋長を始め村人もその深く清い二人の心を初めて知り二人の幸せを祈りました。その後、相愛の男女がまりもに祈ると不思議と幸せになるといわれています。
この激しい恋のセトナとマニベの魂が今もまりもの姿になって永遠に生きていると伝えられているのです...。