橋田先生の逆鱗に触れたのか、それとも先生の気まぐれなのか。「渡鬼」から消えていった登場人物はたくさんいる。ここではその人たちのレギュラー時を振り返り、霊を弔いたいと思う。
小島幸吉 (佐藤英夫) |
小島勇(角野卓造)の父。中華料理店「幸楽」創業者。 記念すべき(?)「渡鬼」死亡者第一号。青森の小学校を卒業後、東京へ奉公。屋台のラーメン屋から「幸楽」を立ち上げた。キミ(赤木春恵)に散々イビられる五月(泉ピン子)を影ながら励ます心優しき舅。無口であるが、料理の腕前は天下一品。しかし仕事中に脳出血で倒れ、死んでしまう。彼の死によって、小島家に遺産相続騒動が起きることになる。ちなみに「幸楽」の”幸”は幸吉の名前から取っている。 第一部開始早々お亡くなりになった。「救心」でも彼を助けることはできなかった。 |
遠山昌之 (香川照之) |
長子(藤田朋子)の最初の夫。運送会社社長。 交通事故がもとで長子と知り合い結婚。長女・遊は亡くなった先妻との間の子であった。仕事中にクモ膜化出血で倒れ死亡。享年28歳。彼の死により、長子は昌之の遺産&借金&遊の養育権騒動に巻き込まれるのであった。ちなみに昌之の手術を担当したのが、現在の夫・英作(植草克英)。長子は「この人が主人を殺したんです!」と英作を人殺し呼ばわりしたにもかかわらず、英作と結婚。女心は分からない...。 何らかの事情(「静かなるドン」主演?)で香川照之は第二部より降板。仏壇には写真も無かった。 |
立石一茂 (橋爪淳) |
五月の小姑・邦子(東てる美)の不倫相手。 邦子が働いていたバーの常連客で、妻・伸子がいるにもかかわらず邦子と恋に落ちた。邦子の二人の子供達とも仲が良く、あとは妻と離婚するだけという矢先、胃がんに冒されて入院。邦子の懸命の介護も空しく死亡。 これは「不倫の恋は実らない」という橋田先生の尊い教えなのか?それとも単にドラマを盛り上げるために死亡させたのか? |
高橋年子 (河内桃子) |
高橋亨(三田村邦彦)の母。 一人息子の亨を溺愛し、たびたび文子(中田喜子)に嫌味を言ったりしたが、「渡鬼」の姑の中では比較的おとなしい方だった。第三部でアルツハイマー症にかかり、世話する文子をノイローゼ気味にさせたりした。第四部では既に半年前に死亡したことになっており、それがきっかけで亨夫婦は離婚。(後に再婚。) 河内桃子は第四部スタート前に死去。(ひろろさんからの情報。ありがとうございました。) |
秋葉リキ (原ひさ子) |
秋葉満枝(木の実ナナ)の姑。 晩年は寝たきりになっており、満枝が農作業の傍ら、面倒を見ていたが亡くなった。 「渡鬼」公式ホームページによると、いつ亡くなったのかは不明。 |
岡倉節子 (山岡久乃) |
岡倉大吉(藤岡琢也)の妻。 言うまでもなく「渡鬼」を支えてきた人。第四部第1話で初めての海外旅行先のニューヨークで死亡。五月と葉子(野村真美)が代表でニューヨークへ遺体確認に。現地で荼毘にふして帰国。結局写真(遺影)のみでの登場となった。 山岡久乃は節子の後を追うように死去。ドラマと重なって大変悲しかった。 |
竹原洋次 (唐沢寿明) |
葉子(野村真美)の前夫。現在ニューヨーク在住。 葉子が勤めていた設計事務所の先輩で、第一部で葉子と結婚。節子の提案で岡倉家に同居。しかし岡倉家と生活習慣が合わず、夫婦揃ってハワイへ移住。ところが洋次はアメリカの永住権を取得するため、葉子を捨ててアメリカ人女性と結婚。その後ニューヨークへ渡った。 唐沢は第一部終了後、トレンディードラマなどで大ブレイク。第二部の出演が不可能になった。その恨みからか、第一部では好青年だった洋次が、第二部では自分の都合で妻を捨てた極悪人という設定になっていた。 |
山下久子 (沢田雅美) |
小島勇の妹。現在ニューヨーク在住。 父・幸吉の遺産をめぐり、相続権を主張するなど「幸楽」のトラブルメーカー。妹・邦子とともに五月を徹底的にイビる鬼小姑。一時期は五月と夫・健治(岸田敏志)の仲を疑ったりした。その後改心して健治と二人の子供たちと一緒にニューヨークへ移住。ところが現地で食料品店を経営するアメリカ人と恋に落ち、結局健治とは離婚した。 沢田は石井ふく子プロデューサーの舞台を勝手に降板したため、橋田ファミリーから追放。しかし久子はまだ生きているので今後登場する可能性は残っている。 |
山下加奈 (米沢由香) 山下登 (伊藤淳史) |
久子・健治夫婦の長女と長男。 現在、久子と再婚相手のアメリカ人と一緒にニューヨークに在住。久子に似て性格が悪く、日本にいたころは従兄弟の愛(吉村涼)や眞(えなりかずき)といつもケンカをしていた。 伊藤淳史は「渡鬼」の裏番組「とんねるずのみなさんのおかげです」でチビノリダーを演じてました。最近は「カロリーメイト」のCMに出演。 |
塚田咲枝 (三崎千恵子) |
小料理屋「おたふく」女将。 大吉がサラリーマン時代に行きつけていた小料理屋「おたふく」の女将で、大吉に料理の手ほどきをした。言ってみれば、大吉に脱サラさせたきっかけとなった人。一時期、大吉は「おたふく」で板前をしていた。骨折して息子・文太の説得により、店をたたんだ。 消息不明。「おかくら」にも来ないし。 |
塚田文太 (長谷川哲夫) |
咲枝の息子。 骨折した母親に半ば強引に店をたたませた。 すみません。上記以外のことは記憶に残ってません。 |
加納竜一 (矢野武) 大木すみれ (横島江里子) |
長子の大学時代の男友達と銀行勤務時代の同僚。 大学時代、同じサークルで仲が良かった長子と竜一。ところが長子が銀行に勤務するようになると、忙しく擦れ違いばかり。そんなとき長子は子分のような存在だった銀行の同僚・すみれに竜一の部屋の掃除等をさせた。すみれは聖子(中島唱子)に負けないくらいの体格で、長子もすみれの容姿から2人が恋に落ちることはないとタカをくくっていた。しかし竜一はすみれの優しさに感動。結局2人は結婚。長子は後悔したが、後の祭りだった。 「人間は顔や容姿じゃない。心だよ。」という橋田先生の教えですね。 |
遠山遊 (山辺江梨) |
遠山昌之の長女。現在雲仙に在住。 昌之と亡くなった前妻との間に生まれた娘。後妻となった長子とは仲が良かったが、昌之の死後、養育権騒動に巻き込まれ、福島の伯父夫婦に引き取られた。しかし昌之の遺産目当てで遊を引き取ったものの、実は昌之には借金しかなかったことを知った伯父夫婦は、遊を使用人のようにコキ使い、ついに施設へ送ることに。が、寸前のところで遊は再び岡倉家へ。そして最後には、雲仙で旅館業を営む叔母・綾子に引き取られることになった。 第二部で遠山家絡みの話は終了。その後一切、昌之や遊の名前は出てこない。長子は昌之の墓参りに行っているのだろうか? |
河野院長 (渡辺文雄) |
英作の勤める関東総合病院の院長。 自分の娘と英作を結婚させようとしていた。一時期、長子は河野院長の秘書をしていた。 結局英作は長子を選んだ。この時から英作の出世は遠くなったのだ。 |
山形明子 (西部里菜) 早乙女圭吾 (正木慎也) |
元「幸楽」女性従業員とマンガ家志望青年のカップル。現在(多分)東京に在住。 第三部に登場。「幸楽」で食事後、「金が無い。その代わり自分を雇って欲しい。」と訴えた明子に、かつての自分の姿を重ねた五月がキミの猛反対を押し切って了承。その働きぶりに同じ従業員・周平(岡本信人)に惚れられたりしたが、実はマンガ家志望の青年・圭吾と同棲中。「幸楽」で懸命に働くのも、なかなか芽の出ない圭吾との生活を支えるためだった。その後圭吾のマンガが少しずつ認められ、めでたく「幸楽」を去っていった。 明子と圭吾の生活はまるで「神田川」の世界だった。橋田先生の憧れか? |
立石伸子 (沖直未) |
立石一茂の妻。 冷たい性格で、一茂が胃がんで入院したときも知らぬ顔。しかし一茂が亡くなるや、医事課長・中野(津村鷹志)に依頼して、病院から強引に遺体を引き取ったり、「幸楽」へ遺言状を奪いに来たり。最後まで反省することはなかった。 結局遺産は伸子のものに。やはり正妻は強いということか。 |
小出文平 (横田進) |
元「おかくら」板前。現在は実家の料理店を継いでいる。 通称「ブンちゃん」。大吉が小料理店「おかくら」を始めてから、第三部まで登場。大吉を尊敬。一度大吉が店をたたんで、文平のために他の店の働き口を探そうとしたときは「僕は親方に一生ついていきます!他の店で働くなんて考えられません!」と涙ながらに訴えた。が、第四部では文平は故郷の実家の料理店で板前をしている設定になっており、代わりに文平の友人・勉(山田雅人)が「おかくら」で板前をしていた...。 「他の店で働くなんて考えられません!」という言葉は何だったのか?僕個人としては山田雅人より文ちゃんの方が性格に裏表がなさそうでいいのだが。 |
小川浩介 (別府康男) |
邦子の前夫。現在は仙台で材木店を経営。 サラリーマンだった浩介だが、亡くなった長兄の代わりに家業の材木店を継ぐことになった。ところがわがままな邦子に材木店の妻が勤まるはずもなく、姑に散々イビられて離婚。なお当初、浩介と邦子の子供は男の2人兄弟(名前は豊と忠)だったが、いつのまにか隆とミカの兄妹になった。 という訳で浩介の登場も邦子との離婚成立と同時に無くなりました。 |
立花ワカ (杉村春子) |
岡倉節子の叔母。呉服店「立花」社長。パート1に登場。 大吉が無断で会社を辞めたことに怒った節子が、家出した先が叔母・ワカの家だった。「働いて自立したい」と言う節子に、ワカは節子の年齢では体力的に無理なことを承知で自分の呉服店で働かせる。それは節子に本気で大吉と離婚して自立する覚悟があるのかを試すためのものであった。 杉村春子が他界しているので、恐らくワカも他界しているものと思われる。節子の葬式にも姿を現さなかったし。(正確には杉村春子は2回出演してました。) |
田村綾子 (香川京子) |
遠山昌之の先妻の姉。パート2に登場。 九州・雲仙で大きな温泉旅館「半水盧」を営む女将。姪の遊を引き取ることになった。その面影は亡くなった遊の母親に似ているらしく、初めて綾子の顔を見た遊が「お母さん!」と叫んだほど。心配して雲仙に来た大吉、節子、長子は綾子の優しい人柄に触れ、安心して遊を引き渡すのだった。 雲仙普賢岳の噴火が綾子の旅館にどれだけの影響を与えたかは不明。 |
五十嵐牧子 (和泉雅子) |
神林が勤める大学病院の栄養士。パート4に登場。 節子の死後、常子が大吉の後妻にと、おせっかいで連れてきた栄養士。牧子は「ヘルシーで美味しい和食を極めたい」と言い、大吉のことも気に入っていた様子だったが、大吉にその気がなく結局破談に。 栄養士だけあって、北極でも南極でも行けそうな栄養満点の体格をしてました。 |
並木宗春 (坂上忍) |
珠子(森光子)の顧問弁護士。パート4に登場。 珠子が葉子の見合い相手としてハワイから連れてきた弁護士。当時、仕事の依頼が減っていた葉子にとって悪い話ではなかったが、結婚に逃げたくないと考えていた葉子はこの話を断った。葉子を気に入った宗春も、葉子の考えを理解して身を引いて、2人をハワイで生活させようとした珠子の目論見は外れた。 1回だけの登場でした。 |
大木忠則 (東山紀之) |
英作の患者。会社社長の御曹司。 記憶喪失で英作の病院に入院。8階8号室に入院していたため、「8号さん」と呼ばれる。治療目的で何故か岡倉家に居候。しかし、記憶喪失というのは父親・忠信の会社を継ぐのが嫌だった忠則の芝居だった。 パート2・第25回のスペシャルに登場。(渡鬼オタクさんからの情報。ありがとうございました。) |
大木忠信 (中条静夫) |
忠則の父親。 岡倉家へ忠則を連れ戻しに来た。大吉と飲んでいるときに「5人も娘がいて良いですな」と羨ましがった。 東山同様、パート2・第25回のスペシャルに登場。中条静夫は他界。忠信が他界したかは不明。 |
生きている皆さん、今ごろどうしているのでしょうか。そして次は誰がこの名簿に加えられるのか。合掌...。