***** 体感温泉リポート W *****

別府明礬温泉 泥湯の温泉「別府温泉保養ランド」


  混浴露天鉱泥大浴場 4、男女別屋内コロイド湯(鉱泥湯)(pH 3.2)、滝湯、男女別むし湯、水虫治療泉。
  泉質・・・硫黄鉱泥泉(?)
  立寄り湯・・・1050円  入湯日:02年12月下旬
                                             別府市明礬(鉄輪温泉と明礬温泉の中間にある)  рO977−66−2221  


                          「別府明礬温泉街の湯煙」                 

       


変わったタイプの温泉として九州には、指宿の「砂蒸し風呂」とならんで、別府に「泥湯の温泉」がある。今回その泥湯を体感してみた。

■別府温泉保養ランドは鉄輪温泉からさらに山道を登った明礬温泉に入る手前にある。古く豊後風土記に記載があり、(現在の別府地獄めぐりのように)湯池の前面が紺色に沸き返っていたところから「紺屋地獄」と呼ばれていたところが現在立地しているところらしい。

■野口冬人著 「元気が出る温泉浴」毎日新聞社 93.2.25  に当ランドについて”泥湯のほかに、コロイド湯、砂湯、むし湯、歩行浴がありさながら温泉のデパートのようだ”の記述があるが、砂湯はなくなったみたいだ。 
 


 ※上記写真は同ランドパンフより                                  
  ■ 泥湯は受付・宿泊施設のある左の写真の建物から一旦屋外に出て、渡り廊下で50mほど行った所に休憩室や脱衣所があり、そこから階段を少し下りたやや谷沿いにある。






                     
■まず最初にあるのがこの「コロイド湯」。コロイド硫黄を多量に含んでおり、老化した皮膚をきれいな肌に整え、ハリのあるスベスベした色白の肌になる効果がある(同ランドパンフより)という。

■当ランドのいくつかの鉱泥湯の中でその泥の濃さはこのコロイド湯が1番薄めだった。それでも上がると薄く泥が体に残るので、シャワーに掛かってください、の看板がある。にごり湯の濃い目温泉、という感じだ。当日の実測pHは3.2で弱酸性泉(3.0-6.0未満)だ。泉温は37〜42℃(湯口からの距離によって異なる)。


  ■プレハブ様の小屋にある泥湯。この泥湯が当ランドで1番泥の濃度が濃い。下から熱い温泉が方々から出ており、慎重に移動しないと足等がやけどしそうだ。そういえば、小学生未満の子供は入浴禁止の看板があった。

■泥の濃さが濃く、比重が大きいため浮力が高く、入るとかなり浮き、その感触が独特で、宇宙遊泳ほどではないが、結構楽しめる。そう、子供のときに教科書に載っていた、ヨルダンとイスラエルにまたがる塩分濃度の濃い湖、死海で海水浴客が浮いている写真が思いだされる。(平凡社百科事典によると、死海の塩分濃度は25%、通常の海水の7倍の濃さ)



  ※上の2枚の写真は昭  文社マップルマガジン  「九州温泉&やど」より
  ■当日カメラ・ビデオは撮影禁止(お客さんが裸を撮られているのかといやがる)のため、どれくらい浮くのかお見せできないのが残念だが。解説風にレポートすると、足を揃えて伸ばし、つま先を水面から出した状態で顔はもちろん、肩まで浮き出ていた。ちなみに両手も出してみたが肩口は没するが顔は十分浮いている。という事は、泥の汚れさえ気にしなければ”温泉に浮かびながら読書が出来る”ということだ。

■後で係り人に聞くと、下で見る屋外の泥湯は特別な手入れはしないが、この室内の泥湯は泥の濃度(を高めに)維持のため他から泥を持ってきて足している、とのことだった。このなんとも形容しがたい不思議な浮遊感は1回体験してみる価値がある。

■ただ入った後、粒子の細かい泥が肌や体毛にまとわりつき(泥パックだなどと喜んでもおられず)備え付けの水流の弱いシャワーでは簡単には洗い流せない為多少不快感が残る。濁っていない透明な温泉に一度浸かってから上がりたいところだが、ここには泥湯(含コロイド湯)しか無いのでそれが出来ない。

 


 



■当日全く写真が撮れなかったので、翌朝営業時間前に再度訪問し、この温泉をHPに載せる事を説明して撮らせてもらった。時間前だったが、泊まりの宿泊客が何人か既に入っていた。

■遠景に見えるアーチ橋は大分自動車道。この朝は快晴だったため、白い泥湯の湯面が空の青さを反射してブルーに写っている。下の雑誌の写真の白色が実際の色に近い。

 

  ■屋外には大小2〜3個所の泥湯がある。こちらも場所によっては底が熱く、やけどしそうな所があるので気をつけなければならない。

■外の泥湯はそれほど濃くないため、浮力はやや落ちる。深さは1m未満で浅いので、両足を揃えて手で持つと、口から上がようやく水面上に顔を出すくらいの浮力だ。

(左の写真は昭文社発行「九州露天風呂&立寄り湯」2003年版より)


 

■左は「滝湯」。写真では見えにくいが打たせ湯の滝が3本位出ている。これも泥湯。

■右は「水虫治療室」。濃い硫黄泉で水虫が殺菌できるのだろうか。持参のpH計は泥でセンサーの電極が傷むのを恐れ、一番泥成分の薄いコロイド湯以外では使わなかった。多分酸性度の高い温泉で殺菌効果があるのだろう。

 

 

                                                 以上

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