ガット弦のこと
こんにちは。
弦を替えました。前から少し気になっていたガムットのレッド・ダイアモンドという弦にしました。
これまで使っていた弦、決して悪かったわけではないのですが、やはりピュアなガットの音色というわけでもなく、あまりリピートする気が起こりませんでした。世間の評判はかなりよいので個人的な趣味の違いなのだと思います。
今回は、ガムットの従来の弦にするか、それともダミアン・ドゥルゴレツキ氏製作のものにするか、それともレッド・ダイアモンドにするかで非常に迷ったのですが、いまだ試していないレッド・ダイアモンドを選択しました。
まだ1ヶ月足らずなのできちんとした評価はできませんが、今のところ総じてよいです。ただし、弓弾きがシビアで、いい加減に弾くとかなりの確率で音が裏返ります。原因が、弦の巻き方(上2弦はナイロン巻、下2弦は銅巻)のせいなのか、それとも、弦がまだ新しいからなのか、よくわかりません。弾き方に問題がないとは申しませんが、それでも今までこれほどひっくり返る弦に出会ったことがないので、弦にも原因があるのではないかという気もします。ピッツィカート指向ですが、レビューによればアルコも大丈夫という書き込みが多数だったので大丈夫かなと思ったのですが、弾く奏者のレベルにもよりますし。とにかく親指ポジションでかなりシビアなのですが、これはよい練習と思ってしばらくは付き合おうかなと思います。
ガット弦の割には手頃な値段、というかはっきりいって安いです。これも手放しで喜べないのですが以下仮説を立ててみました。
まず、下2弦はニッケルと銀の合金で巻くことが多いのですがこれを銅巻にしています。銅のほうがコストがかからないですから、コストを抑える効果はありそうです。
次に、上2弦がプレーンではなくナイロン巻となっている店です。これはコスト的にどう出るのかはよくわかりません。ガットの分だけコストはかからないですが、巻く手間はかかりますよね。音色的にプラスかどうかも不明です。やや保守的に考えるとマイナスでは、と疑ってしまいますが、実際はわかりません。コスト面で指摘すると、羊腸ではなく牛のようです。腸に関して、牛のほうが羊より安いのかは正直分かりません。
金属巻はともかく、ナイロン巻という選択肢は、ありかなとも思います。というのは、日本では高温多湿ですし、練習中の手汗も避けられません。プレーンガットの場合、私は保護のため、注文のときに必ずニスをつけてもらうのですが、それでも夏季はどうしても劣化で毛羽立ってきます。しかし、保護という観点からいえば、ナイロン巻というのはひとつの有効な解決法なのではと思います。
ただし、やはり音色的な問題、それに、アルコで弾いたときの裏返りの問題、これらを無視することはできません。まだ1ヶ月足らずなので、見極めるにはもう少し期間が必要そうです。このように評価を一部保留しているものの、今のところ概ね満足はしています。音のプリゼンスがしっかりしていて、倍音もとても泰なので、アンサンブルの中でもきちんと芯のある音で響いているようです。