Black Nile #
基本データ #
- 作曲年:1964年
- 作曲:Wayne Shorter (1933-)
参考音源 #
- Wayne Shorter / Night Dreamer (1964)
- 彼のオリジナル曲ばかりで構成されたアルバム。キーはDm。
曲目解説 #
メロディとコード #
オリジナル・キーであるDmとして説明する。
2小節目、8小節目 #
E♭7で問題ない。これは、ドミナントA7のトライトーン代理である。例えば、前テーマの10小節目などではベーシスト(レジー・ワークマン)は思いっきりA7を弾いているがサウンドしている。
♭II7とV7は、理論的にトライトーン代理の関係にあるが、必ずしも無条件で置き換えが可能というわけではない。私の見立てでは、メロディラインがV7altにかなっているときに、♭II7に置き換えてもサウンドしやすい傾向があるようだが、いずれにせよ、何でもかんでも無批判にトライトーン代理に置き換えるということだけは避けたい。
13-16小節目 #
コーラス全体をAABAと捉える場合の2回目のAの部分である。驚いたことに(というか呆れたことに)単純に最初のセクションAの繰り返しのようなコードをつけた曲集もあるようだが、少なくとも作曲者自身はそのようには演奏していない。B♭maj7 | Gm7 | A7alt | A♭7 || のように演奏している。
確かに、後年の他のプレイヤーによるカバーでは、B♭maj7 | A7 | Dm7 | (D7あるいはA♭7) || のように演奏しているケースも少なくないが(例えば、フレッド・ハーシュ、ジェフ・ワッツ、ジョーイ・デフランセスコなど)、曲集には作者に敬意を表してオリジナルの進行を載せるのが筋ではないかと個人的には思う。
17-18小節目 #
この箇所もしばしばオリジナルに対してリハーモナイズされる。作者はシンプルに、Gm7 | C7 | としているが、先に上げたハーシュ、ワッツ、デフランセスコなどは、Gm7 A♭7 | Gm7 C7 | としている(テーマではメロディにあわせて全員によるキメになっている)。
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