Day By Day

Day By Day

基本データ

  • 作曲年:1945年
  • 作曲:Axel Stordahl (1913-1963)、Paul Weston(1912-1996)
  • 作詞:Sammy Cahn (1913-1993)

参考音源

Carmen McRae / The Great American Songbook (1972)
アップテンポのスウィングで演奏される。キーはC。
Ella Fitzgerald / Montreux ’77 (1977)
アップテンポのスウィング。McRaeよりさらにはやい。キーはC。

曲目解説

Frank Sinatraの初期のアレンジャーStordahl、当時Capitolレコードの音楽ディレクターも務めていたWeston、そして作詞家のCahnによって作られた。一時期、3人が同じアパートメントに住んでいたという逸話もある。

初録音は、1945年Sinatraによるシングル盤である。ゆったりとしたテンポで歌われるが、時代が下るに連れてだんだんとテンポがはやくなっていくように思われる。

1960年にはAstrud Gilbertoがボサノヴァのリズムで録音している。

メロディとコード

キーをCとして解説する。

1-4小節目

オリジナルではずっとDm7で、最後の2拍すなわち4小節目3拍目でG7となり5小節目のCmaj7に進行する。

ゆったりとしたテンポではこの停滞感が効果的であるが、テンポによってはこれがマイナスの効果となる。そこでコードを変化させるわけであるが、例えば、Astrud Gilbertoがボサノヴァで歌った1965年の録音では、Dm7 | G7 | Dm7 | G7 |のように演奏している。これは、スウィングで演奏する場合も含めてこんにちの標準のコード進行といえるかもしれない。

Fitzgerald(1977)はさらに、2小節目をEm7(♭5) A7とすることで進行感を高めている。

5-6小節目

2小節ともトニックであるが、1970年代あたりから6小節目をF7とすることが流行するように思われる。

7小節目と23小節目

7小節目はメロディがBなので、コードはEm7であって、Em7(♭5)としてはいけない。

一方、23小節目のメロディはGであり、理論的にコードはEm7でもEm7(♭5)でも構わないのであるが、Sinatraの録音をはじめ後者で演奏されることが多い。好みではあるが、確かにそのほうが曲想にマッチしているように思われる。また、Gmで演奏されることもある。

5-16小節目

Sinatraの録音では、G7で始まり、16小節目の後半でA7に進行している。ゆったりとした演奏なのでシンプルなチェンジとなっている。

一方、アップテンポのMcRae(1972)では、Dm7(♭5) G7 | Em7(♭5) A7 |のようにしている。Sinatraとは対極的で忙しい。

ミディアムテンポでは、Chris Montezの1966年の録音のように、Dm7 | G7 A7 |のように演奏してもよいが、1960年のBetty Rocheのように15小節目をDm7(♭5)にするほうが曲想にあっているという考え方もあるだろう。このあたりは、好みが分かれるところかもしれない。

ちなみにOscar Petersonは1970年の録音で、Fm7 B♭7 | Em7(♭5) A7 | のように演奏している。これもひとつの解釈として興味深い。

25-26小節目

様々な録音をあたると、Dm7 | Dm7 G7 | または Dm7 | G7 |のように演奏するのが基本である。

ところが、Dm7 | Fm7 B♭7 | のように演奏されることもよくある。26小節目のメロディは、ラシドレ(ラは前の小節からタイ)なので、厳密にはコードとメロディが一致しないが、リハーモナイズで得られる効果を考えると、許容できる衝突ではないかと思われるがいかがだろう。テンポにもよるかもしれない。

27-28小節目

Sinatraによる初録音では、Cmaj7 B♭7 | A7 | としているが、Cmaj7 | A7 | 、Em7 | A7 | 、 Em7(♭5) | A7 | などのバリーエーションがある。