East Of The Sun

East Of The Sun #

基本データ #

  • 作曲年:1934年
  • 作曲・作詞:Brooks Bowman (1913 - 1937)

参考音源 #

Sarah Vaughan in Hi-Fi
1950年前後の録音を集めたコンピレーションアルバム。この曲はゆっくりしたテンポで演奏される。キーはD♭。
Bud Powell/Piano Interpretations (1955)
ジョージ・デュヴィヴィエとアート・テイラーのトリオ。リリースは翌1956年。キーはG。
Carmen McRae/After Glow (1957)
本来1コーラスが36小節のところを32小節として歌ったのち、続けて後半を本来の小節数で演奏している。キーはC。

曲目解説 #

当時プリンストン大学の学生だったブルックス・ボウマンが作詞・作曲した。1コーラス36小節である。

メロディとコード #

ここではキーをGとして解説する。

9-12小節目 #

曲集には、Am7 | D7 | F♯m7(♭5) B7 | Em7 | となっていることが多いだろう。

Am7-D7 はGメジャー・キーのいわゆる「トゥ・ファイブ」のようにみえる。しかし、どちらかといえばむしろAm7は平行調であるEマイナー・キーのサブドミナント・マイナーと捉えるべきなのかも知れない。その根拠として、録音によっては2小節目がAm7のままでD7が演奏されない(例えばVaughan, 1950)ことからも明らかだろう。

したがって、この4小節目を大きく捉えるならば、Eマイナー・キーにおいて、サブドミナント・マイナー2小節、ドミナント1小節、トニック・マイナー1小節と捉えることができよう。

また、Carmen(1957)がAm7 | F♯m7(♭5) B7 | F♯m7(♭5) B7 | Em7 | のように演奏しているが、これも、この4小節がEマイナー・キーの文脈であることの裏付けにもなる。

現実的に、Am7がGメジャー・キーのIIm7とEマイナー・キーのIVm7のピボットなのである。

25-28小節目 #

初期の録音(例えば初録音のTom Coakley(1935年)や1940年のFrank Sinatra/Tommy Dorsey)を聞くと、Am7/E | Cm7/E♭ | G/D | A7(/C♯) | のように演奏している。このようにビバップ以降演奏しなくなったコード進行を再発見するのは楽しい。

30小節目 #

ドミナント(D7 または Am7 D7)とするか、サブドミナント・マイナー(Cm6 または Cm6 F7など)とするかで好みが分かれるだろう。

32小節目 #

B♭m7 または B♭m7-E♭7 で演奏するケースが多いが、もとはB♭dim7なのかもしれない。ただし、そのような録音はほとんど見当たらない。1940年のFrank Sinatra/Tommy Dorseyがそのように演奏しているが、初録音のTom Coakley(1935年)はE♭7。