Falling In Love With Love

Falling In Love With Love

基本データ

  • 作曲年:1938年
  • 作曲:Richard Rodgers (1902-1979)
  • 作詞:Richard Rodgers (1902-1979)

参考音源

Helen Merrill (1954)
クリフォード・ブラウンとの共演盤でアレンジはクインシー・ジョーンズ。オスカー・ペティフォードのチェロのソロも聴ける。キーはF。
Art Blakey / Straight Ahead (1981)
ミディアム・アップ・テンポで、アルバム・タイトル通りストレート・アヘッドな演奏。キーはB♭。

曲目解説

もともとワルツで、フランク・シナトラが1946年に3拍子で録音しているが、4/4拍子で演奏されることが多い。

メロディとコード

キーをB♭として説明する。

1-2小節目

トニック・メジャーであるB♭maj7 が2小節で構わないのだが、3小節目のCm7に向かうために、B♭maj7 | Dm7 G7 | としてもよい。このG7はこの箇所のメロディによくサウンドするのである。

ちなみに、ソロが展開してくると、いわゆる「イチ・ヨン・サン・ロク」すなわち B♭maj7 E♭7 | Dm7 G7 | などと自然の成り行きでリハーモナイズするようになれば、そのバンドはとてもいいバンドかもしれない。ただし、厳密には、E♭7はストレート・メロディと衝突するのでテーマ中、どうしても「ヨン」を使いたいならE♭maj7とする必要がある。ただし、ソロ中に譜面から外れた自然なリハーモナイゼーションであれば許容されるのではないか。

11-12小節目

Am7(♭5) | D7 | でも構わないが、実際にさまざまな録音を聴くとAm7 | D7 | というケースも少なくない。

Am7の5度のEがスケール上にないので、テンションのように響いて意外性がある。これは、ソロのための常套手段でもある。リズム・セクションはたとえ譜面がAm7(♭5)になっていてもAm7にもいけるよう、ソロイストをよく聴いて対応できるよう常に念頭におきたいものだ。

27-28小節目

大きく、Dm7(♭5) | G7 | という演奏もあるが、Am7(♭5) D7 | Dm7(♭5) G7 | としている録音も少なくない(例えばアニタ・オデイやキース・ジャレット)。

また、25小節目からB♭maj7 | A7 | A♭7 | G7 | としている録音もある(例えばBlakey 1981)。

29-30小節目

こんにちでは、いわゆる「トゥ・ファイブ」、すなわちCm7 | F7 | で演奏されることが多い。しかし、ボーカルの録音を中心に B♭maj7 D7/A | Gm7 C7 | としている録音も少なからず耳にした。この手のハーモニーはビバップ以降では廃れてしまった感もあるが、ミュージカルらしいともいえるのではないか。