Five Spot After Dark

Falling Five Spot After Dark

基本データ

  • 作曲年:1959年頃
  • 作曲:Benny Golson (1929-)

参考音源

Curtis Fuller / Blues ette (1959)
フラーと作者ゴルソンとの2管編成。おそらくこの曲の初録音と思われる。キーはBm。
The Jazztet / Big City Sounds (1992)
アート・ファーマとベニー・ゴルソンによるThe Jazztetの録音。キーはBm。

曲目解説

テナー・サクソフォン奏者、ベニー・ゴルソンによる12小節のマイナー・ブルースである。

メロディとコード

以下、オリジナル・キーのBmで解説する。

1-4小節目

一般のブルースではふつう、1-4小節目は、トニック-サブドミナント-トニック-トニックとなる。ただし、すべてドミナント・セブンス・コードであるため、4小節目は5小節目のサブドミナントへのセカンダリ・ドミナントを兼ねているとの解釈もできる。

もちろん、ジャズで演奏されるブルースには様々なバリエーションがあり、コード進行も例外ではないが、マイナー・ブルースのコードは特にその幅が大きい。

この曲に関しては、1-4小節目を通してトニック・マイナーすなわち、Bm7で演奏されることが多い。

9小節目

Fuller(1959)はC♯7としているが、The Jazztet(1960)はG7としている。これらのコードはトライトーン代理の関係にある。機能的にはダブルドミナントということになる。どちらのコードもマイナー・キーではよく使われている。

なお、この曲に関して、C♯m7(♭5)はメロディと衝突するため誤りといえる。

The Jazztetのリハーモナイゼーション

The Jazztet(1960)の録音では、後テーマに限って次のようにリハーモナイズして演奏している。

Bm7 E7 A7 D7
Gmaj7 Cmaj7 C♯7 Bm7 B♭7 D7/A
G7 F♯7 Bm7 G♯7
G7 F♯7 Bm7 G♯7
G7 F♯7 Bm7 E7