Gone With The Wind #
基本データ #
- 作曲年:1937年
- 作曲:Allie Wrubel (1905-1973)
- 作詞:Herb Magidson (1906-1986)
参考音源 #
- Jackie McLean / McLean’s Scene (1956)
- ミディアム・アップ・テンポの軽快な演奏。年号は録音年を示す。キーはE♭。
- Sarah Vaughan / The Complete Ella in Berlin: Mack the Knife (1960)
- ベルリンでの実況盤で、この曲はCDによるコンプリート版に収められている。キーはA♭で軽快に歌いきる。
- Wynton Kelly! (1961)
- ポール・チェンバース(トラックによってはサム・ジョーンズ)とジミー・コブによるトリオ。キーはE♭。
曲目解説 #
作曲動機は不明であるが、前年に出版されたマーガレット・ミッチェルの同名の小説の影響という説もある。なお、小説は1939年に映画化されているが、この曲は使われていない。
メロディとコード #
ここでは、キーをE♭として説明する。
1-8小節目 #
1-4小節目がE♭のいわゆる「トゥ・ファイブ・ワン」の繰り返し、5-8小節目がGの「トゥ・ファイブ・ワン」となっている。もちろん「ロク」(VIm7やVI7)を使って、「ニ・ゴ・イチ(またはサン)・ロク・ニ・ゴ・イチ」のように演奏されているテイクもある。
10小節目 #
F♯dim7である。勝手にC7に変更してはならない(メロディもだが、ソロラインと衝突を引き起こすため)。バンド全体として合意できているならば、Cm7という選択肢は成立するだろう(ただし、勝手なリハーモナイズは許されない)。
13-16小節目 #
和声的な骨格を示すなら、 E♭maj7 | C7 | Fm7 | B♭7 | だろう。その上で、13-14小節目は、E♭maj7 A♭7 | Gm7 C7 | や E♭maj7 D7 | D♭7 C7 | のようなリハーモニゼーションが成立する。
25-28小節目 #
25-26小節目の Fm7 | Cm7 | E♭メジャー・キーの平行調であるCマイナー・キーのVIm7-Im7と考える。そして、27小節目のFm7はCマイナー・キーのサブドミナント・マイナーIVm7とE♭メジャー・キーのIIm7(V7のリレイティブなコード)とのピボットになっていると考えることができる。
結果的に3-4小節目は、Fm7(♭5) | B♭7 | とするか、それともこの2小節をA♭mとするかどちらかであろう(後者の場合でも4小節目をB♭7としてもよい)。
また、1小節目にはC♭の音が出てくるわけではないが、全体の調和を考えると、Fm7(♭5)-B♭7 またはA♭mとすることが多い。2小節目はトニックE♭maj7である。
さらに、トニックまたはドミナントのベースのペダル・ポイントとすることもできる。