Jeannine #
基本データ #
- 作曲年:1960年頃
- 作曲:Duke Pearson (1932-1980)
参考音源 #
- Cannonball Adderley / Them Dirty Blues (1960)
- アダレイ兄弟による2管編成。キーはA♭m/A♭。
- Duke Pearson / Angel Eyes (1962)
- トリオによる演奏。1962年の録音だが、リリースは1968年。キーはA♭m/A♭。
曲目解説 #
AABA形式の曲。16小節からなるAは、さらに、モーダルな前半の8小節と、従来のコード進行によって展開する後半の8小節に分けて考えることもできる。ブリッジ(セクションB)は8小節。
コード #
以下、キーをA♭m/A♭として解説する。
コーラス全体を通して転調を繰り返す。
1-8小節目 #
イントロも含めて、A♭ドリアンが続く。
コーラスの最後(後ろ2小節をさすが、15-16小節目なども同様)のA♭maj7は、A♭メジャー・キーのトニック・メジャーであるが、これに対し1-8小節目のA♭m7(ドリアン)は、平行調のトニック(マイナー)と考えることができる。
一部に、トニック・マイナーに対してジャズ・ミュージシャンがドリアンを想定することに対して反対意見や慎重意見があるようだ。ただ、Invitationの冒頭のように、ジャズ・ミュージシャンによらない作曲家の書いた曲であっても、トニック・マイナーにおいてドリアン・モードで書かれたメロディは存在する(Invitationの作者Bronisław Kaper=ブロスニワフ・カペル、ブロスニロー・ケイパーとも=はポーランド生まれの作曲家。ヨーロッパで活動後米国に移住)。したがって、ドリアンを無批判に使うことに対する慎重意見については同感だが、断固として反対だという意見について個人的には斥けるべきだという立場を取る。
メロディとリズム #
この曲は第5回鍛錬編で扱った。
メロディのシンコペーション、特にセクションAの後半(9-16小節目)で苦戦が目立った。
具体的には9小節目2-4拍目のそれぞれウラの8分音符、さらには8・10・11・12・14小節目の4拍目ウラから始まるタイ、14小節目の3連音符を含むフレーズなどが難しく、本来4拍目ウラで発音されるべき音符が次の小節の1拍目オモテになってしまうというケースも少なくなかった。
まず、スウィングのメロディでは3連音符の拍のウラが正確に演奏されていることを音源をゆっくり再生することで理解していただいた上で、かなり遅いテンポから実際にメロディを演奏して実感していただいた。これは、直後に自分の練習の録音のプレイバックを聞き返すことで非常に効果的な練習方法になる。