Lover Come Back To Me

Lover Come Back To Me

基本データ

  • 作曲年:1928年
  • 作曲:Sigmund Romberg (1887-1951)
  • 作詞:Oscar Hammerstein II (1895-1960)

参考音源

Billie Holiday (1944)
こんにちではアップテンポで演奏することもあるが、ミディアムテンポである。キーはC。
Mildred Bailey (1946)
こちらもミディアム・テンポ。キーはD♭。
John Coltrane / Black Pearls (1958)
コルトレーンとドナルド・バードの2管セッションで、アップテンポで演奏する。キーはA♭。

曲目解説

1928年のブロードウェイ・ミュージカル The New Moon で歌われた。

メロディとコード

キーをA♭として説明する。また、ダブル・タイム・フィール(いわゆる「倍テン」)で演奏されることがある。ここでは1コーラス32小節として解説する。

4-5小節目

もともと4小節目をB♭7、5小節目をA♭/E♭としているようである(例えばBailey 1946)。A♭/E♭は、ジャズ和声ではベースがドミナント指定のトニック・メジャーと見なされるが、伝統的な西洋音楽の和声ではドミナントという解釈が成り立つため、直前のダブルドミナントB♭7から進行するのである。

ところが、こんにちのジャズ和声では、B♭7 Bdim7 | Cm7 Fm7 | のように演奏されることが多い。Cm7 Fm7はともにトニック・メジャー代理であり、Bdim7は、いわゆるパッシング・ディミニッシュで、これはトニック・ディミニッシュの転回形でもある。

6小節目

B♭m7 E♭7でも構わないが、B♭7 E♭7とする場合がある。特に、直前(5小節目後半)をFm7とした場合、効果的である。

7-8小節目

古い録音を聴くと、A♭maj7 D♭m | A♭maj7 E♭7 | のようになっているが、こんにちではA♭maj7 A♭7(/C) D♭maj7 Ddim7 | A♭/E♭ F7 B♭m7 E♭7 | と演奏されるケースが多い。

17-20小節目

ブリッジの前半部分で、平行調に転調している。

17-18小節目は、Fm | B♭m7 Fm | で、マイナーのトニック-サブドミナント-トニックである。

また、20小節目は、Ddim7/C C7 | という録音もあるが、20小節目はD♭7 C7 と演奏されることもあり、また、さらにA♭m7 D♭7 Gm7(♭5) C7とすることも多い。

28小節目

Adim7またはその転回形で記譜されることもあるが、機能的には次のB♭m7へのドミナントであるF7(♭9)である。もちろん、Cm7(♭5) F7(♭9)としてよい。