Minority #
基本データ #
- 作曲年:1953年頃
- 作曲:Gigi Gryce (1925-1983)
参考音源 #
- Clifford Brown Sextet In Paris (1953)
- ミディアム・テンポで演奏される。またイントロは4小節とあっさりしている。キーはAm。
- Bill Evans / Everybody Digs Bill Evans (1958)
- サム・ジョーンズとフィリー・ジョー・ジョーンズとのトリオ。イントロはエンディングにも活かされているが、いずれもメロディは省略されている。キーはAm。
- Gigi Gryce / The Hap’nins (1960)
- 比較的アップテンポで演奏され、テーマ直後やソロ交代のときにイントロがヴァンプとして演奏される。キーはAm。
曲目解説 #
アルト奏者ジジ・グライスによる曲。
メロディとコード #
オリジナル・キーであるAマイナー・キーで解説する。
1-6小節目 #
この部分のメロディだけを演奏すると、Fマイナーではなく、Fメジャー・キーのようにも聞こえる。なぜならばFメジャー・スケール上の音からできているからである。
1-2小節目と5-6小節目がFmでトニック・マイナーであるが、それに対して、3-4小節目はGm7-C7となっている。マイナー・キーでIIm7が演奏されることがまったくないわけではない(メロディック・マイナーの6番目の音に由来)が、マイナー・キーにおいてメロディがトーナル・センターに対して長3度上のA♮となっているのはやはり珍しいといってもよいだろう。
また、4小節目のC7に対して、直前のコードがGm7であっても多くのマイナー・曲ではC7(♭9)とするケースが多いと思われるが、この曲の場合、少なくともテーマ中においてはメロディがA♮を行き来しているので、C79と演奏する必要がある。
なお、メロディの関係から特に1-2小節目のトニック・マイナーは、Fm6で演奏される必要がある。
イントロ(エンディング) #
この曲には4小節(8小節あるいはそれ以上)のイントロをつけて演奏されることがあり、エンディングでも転用される。またヴァンプとして演奏されることもある(例えばGryce 1960)。メロディはFマイナー・ペンタトニックで、グライス本人のコンポジションの一部と考えられる。コードについては例えば60年のグライス本人の演奏ではFm7とG♭maj7を1小節ごとに行き来しているが、録音によっては、Cのペダル・ポイントで演奏されることもある。