Moon River #
基本データ #
- 作曲年:1961年
- 作曲:Henry Mancini (1909-1976)
- 作詞:Johnny Mercer (1924-1994)
参考音源 #
- Art Blakey And Jazz Messengers / Buhaina’s Delight (19661)
- 4/4拍子のアップテンポで演奏。キーはF。
曲目解説 #
映画「ティファニーで朝食を」の主題歌。マンシーニとマーサーのコンビの曲をこのワークショップで取り上げるのは、The Days Of Wine And Rosesに続いて2曲目。なお、Charadeもこのふたりのコンビである。
ジャズに限らず、多くのミュージシャンにカヴァーされており、オリジナルの3/4のほか、スイングの4/4やボサノヴァなどさまざまに演奏される。ただ、ジャズの演奏は多くはない。
また、原則として1コーラスが38小節と考えることができるが、これを40小節などに変えて演奏することもある。
メロディとコード #
3/4拍子、キーをCとして解説する。
3(19)小節目、5(21)小節目、30小節目、32小節目 #
いずれもメロディがB-A-G-Fとなっている。
コードは、Fmaj7または、F7。どちらも正しい。つまり好みの問題である。メロディの最初の音がコードに対して♯11度の音になる。
なお、11小節目はふつうFmaj7である。
また、28小節目をF7とすることがあるが、これはB7のトライトーン代理である。
4(20)小節目、6(22)小節目、29小節目、31小節目、33小節目 #
いずれもメロディがG、またはG-C)である。そしてハーモニーの機能はトニックであり、具体的にはCmaj7、Em7、C/Eなどがつけられていると思う。
私はベーシストなので、いつもここで少し考えこむ。例えば、楽譜にCmaj7と書いてあってもなんとなく、Eを弾きたくなることがある。もちろん、EはCmaj7のコードトーンであるために、弾いていけないこともないが、ほかのメンバーがベースのC音を期待していることもあるのかなということもある。
一方、Em7やC/Eと書いてある場合は、よほどの場合でない限りE以外の音(例えばC)を弾くことはない。特にテーマのときや、テンポがゆっくりの場合はなおさらである。
ベースがEを弾くと、メロディとの音程が10度(あるいは17度)になり、Cを弾くときにできる12度(あるいは21度)と比べて色彩が増す。ただし、場合によってはこの指定が窮屈に感じられることがないわけでもない。
14-15小節目 #
3/4拍子で演奏する場合、2拍目に付点4分音符があり、これは、ちょっとしたシンコペーションとみなすことができる。
一方コードは、大抵の場合、F♯m7(♭5) B7 | Em7 A7 | のように1小節に2つ書かれている。このとき、小節の2つめのコードをメロディに合わせて、2拍目に持ってくるか、3拍目に持ってくるか、テンポによってはかなり気を使わなくてはいけないことが多い。
ちなみに、次の16小節目もふつうDm7 G7のふたつのコードがあるが、ここではメロディは伸ばしている。仮に14-15小節目の2つめのコードを意識的に2拍目に揃えたとしても、16小節目の演奏の仕方は、2つめのコードを2拍目にする場合と、あえて3拍目にする場合が考えられる。
楽譜を作るときに、もしこのあたりの事情にも配慮できていると、リズム・セクションは悩まずに演奏することができる(かも知れない)。
はてなブログの記事