More Than You Know #
基本データ #
- 作曲年:1929年
- 作曲:Vincent Youmans (1898-1946)
- 作詞:Edward Eliscu (1902-1998)、Billy Rose (1899-1966)
参考音源 #
- Billy Holiday (1939)
- 多くのコンピレーション盤に収録。ミディアム・テンポでキーはG。
- Thelonious Monk-Sonny Rollins / Movin’ Out (1954)
- こちらもミディアムテンポ。キーはA♭。
- Ella Fitzgerald / Like Someone In Love (1957)
- ヴァースから歌う。キーはG。
- Sarah Vaughan / How Long Has This Been Going On? (1978)
- こちらもヴァースから。ゆっくりとしたテンポで歌う。ヴァースのキーはEm(Gの平行調)だが、コーラスのキーはF、後テーマの途中でさらに半音上へ転調し同主マイナー(F♯マイナー)で終わる。ちなみにピアノはオスカー・ピーターソンで、凝ったアレンジは彼のアイディアかもしれない。
曲目解説 #
わずか36回の公演で打ち切りになったブロードウェイ・ミュージカルの Great Day の1曲。ショウとしては失敗で、かつ映画化も頓挫したが、レコードと楽譜はよく売れ、スタンダード・ナンバー入りしている。
メロディとコード #
さまざまなキーで演奏されるが、以下、キーをCとして説明する(参考音源にはあげなかったが、Dexter Gordonなど、インストゥルメンタルではCで演奏されることも多い)。
2小節目 #
私が聴いたほぼすべての音源でC7(あるいはその変形)であった。理論的にはCmaj7 C7といった解釈も可能ではあるけれども。
4小節目 #
ほとんどの音源でDm7 Fm | としているが、Holiday(1939)がD7 Fmとしているのは興味深い。
5-6小節目 #
基本的にここはドミナントG7で、新しい録音になればなるほど変化をつける傾向にある。
15-16小節目 #
ここはメロディが主音(C)でのばしているだけなので、さまざまなハーモナイズが可能である。
Holiday(1939)はCmaj7 Fm | Cmaj7 B7 | のように一度サブドミナント・マイナーに進行している例もあれば、Vaughan(1978)は、Cmaj7 F7 | Cmaj7 / F♯m7(♭5) B7 || のように、IV7にしている(こうすると少しブルージーになる)。
Fitzgerald(1957)のように、Cmaj7 | Am7 B7 | のように、転調先のトゥ・ファイブではなく、IVm V7とする趣味も個人的には好きである。
17-19小節目 #
ここはEマイナーに転調しているのだが、かなりのバリエーションがある。
Holiday(1939) は素直にEm | Am7 | Em |とIm-IVm7-Imとしている。Fitzgerald(1957)も同様だが、2小節目をAm7/Eとしている。
もちろん、Em | F♯m7(♭5) B7 | Emとすることもできるが趣味の問題だろう。Vaughan(1978)はその変形の、Em | C7 B7 | Em | としている。