O Amor Em Paz

O Amor Em Paz

基本データ

  • 作曲年:1960年
  • 作曲:Antonio Carlos Jobim (1927-1994)
  • 作詞:Vinicius de Moraes (1913-1980)
  • 英詞:Ray Gilbert (1912-1976)
  • 英題:Once I Loved

参考音源

Cannonball Adderley / Cannonball’s Bossa Nova (1962)
キャノンボール・アダレイがセルジオ・メンデスら、ブラジルのメンバーと録音したアルバム。キーはC/Am。
Antônio Carlos Jobim / The Composer of Desafinado Plays (1963)
クラウス・オガーマンのアレンジ。キーはA/F♯m。
The Astrud Gilberto Album (1965)
英語で歌う。キーはA/F♯m。
Joe Henderson / The Kicker (1969)
比較的速いテンポで演奏している。キーはF/Dm。

曲目解説

構成とコード

さまざまなキーで演奏されるが、以下、キーをA/F♯mとして説明する。

17小節目以降

全体としてAAB形式である。セクションAは8小節でそれほど議論になることはないだろう。

セクションBについては、例えばJobim(1963)やA. Gilberto(1965)などが8小節(ただしエンディングは16小節)であるのに対し、Cannonball(1962)やHenderson(1969)は12小節としているところが興味深い。

コードも少しずつ異なる。

ここに、A. Gilberto(1965)(これはJobimとほぼ同じ)のエンディング部分と、Cannonball(1962)、Henderson(1969)のコードを採譜したものを掲げる。

A. Gilberto(1965) のセクションBのコード(エンディング)
Emaj7 A7 Dmaj7 %
D♯dim7 Dm6 F♯7/C♯ C7
B7 Bm7 F♯m7/A G♯7
Gmaj7 % F♯m (Aeorian) %
Adderley (1962) のセクションBのコード
Emaj7 A7 Dmaj7 %
D♯m7(♭5) Dm6 F♯7 C7
B7 C♯7 F♯m (F♯7)
Henderson (1969) のセクションBのコード
Emaj7 A7 Dmaj7 %
D♯dim7 Dm6 F♯7 C7
B7 Bm7 F♯m7 (F♯7)

比較すると興味深い。

例えば、5-6小節目は、オリジナルではおそらく♯IVdim7 IVm6 という進行になっているが、Cannonballはここを♯IVm7(♭5) IVm6 に変更している(Hendersonがオリジナルを踏まえているという点も興味深い)。ジャズ・プレイヤーにとっては、Cannonballのコード進行のほうが馴染み深いといえるのではないだろうか。

また、オリジナルの5小節目以下では、ベース音の下行ラインを効果的に作り出していることがよく分かる。