Peace #
基本データ #
- 作曲年:1959年
- 作曲:Horace Silver (1928 – 2014)
参考音源 #
- Horace Silver / Blowin’ the Blues Away (1959)
- ホレス・シルバーの代表的なアルバムの中の1曲。キーはGm/B♭。
曲目解説 #
ピアニスト、ホレス・シルバーによる曲。1コーラス10小節である。
以下、オリジナル・キーであるGm/B♭のキーで解説する。
途中、様々なキーに転調しているが、冒頭Gマイナー・キーのトニックであるGm7への(いわゆる)トゥ・ファイブ、最後がGマイナー・キーの平行調のトニックであるB♭maj7で終わるので、いちおうキーをGm/B♭とした(You’d Be So Nice To Come Home ToやFly Me To The Moonなど、あるキーで始まり、平行調関係にあるキーで終わる曲は少なくなく、キーを一方に特定することは特に意味を持たないと考える)。
コードとトーナリティ #
1-2小節目 #
Gm7へのいわゆるトゥ・ファイブ・ワンである。
2小節目後半C7は、トニック・マイナーGm7を主とするリレイティブなコード(このように整理するのは一般的ではないかもしれないが)であると同時に、次のBmaj7へのドミナントのトライトーン代理。
3-4小節目 #
Bmaj7は、一時的な転調と考えてもよいし、B♭メジャー・キーのナポリと考えてもよい。直後、B♭メジャーへのいわゆるトゥ・ファイブ・ワンが続く。
5小節目 #
次の転調先であるAメジャー・キーへのトゥ・ファイブ。
6-8小節目 #
3度下行進行の例は意外とたくさんあるような気がしていずれ整理したいと思っている。ここではAメジャー・キーのイチ・ロクと進行し、さらに3度下行してD♯m7=E♭m7と進行している。
このE♭m7は、次の転調先D♭メジャー・キーの「トゥ」であり、「ファイブ・ワン」が続く。
9-10小節目 #
冒頭がGマイナー・キーだとすれば、ここは平行調B♭メジャー・キーのトニックB♭maj7へのいわゆるトゥ・ファイブ・ワン。ただし、メロディとの関係から、トゥがハーフディミニッシュ・コードであることに注意。
メロディ #
2管クインテットでスロー・テンポを演奏するとき、メンバー、特にリズム・セクションがフォワード・モーションを意識しないと非常によどんだサウンドになってしまう。またメロディを担当する管楽器奏者は、適切にアーティキュレーションをつけることでサウンドやタイム感をコントロールすることができる。