The Preacher #
基本データ #
- 作曲年:1955年
- 作曲:Horace Silver (1928 – 2014)
参考音源 #
- Horace Silver and the Jazz Messengers (1955)
- メンバーは、ケニー・ドーハムとハンク・モブレーの2管に、ダグ・ワトキンス、アート・ブレイキー。キーはF。
曲目解説 #
ほかのミュージシャンによるカヴァーもあるが、ここでは初録音のSIlver(1955)をもとに解説する。
テーマのアレンジ #
テーマをよく聞くと、2管によるメロディ、ピアノのコンピング、ベース・ライン、ドラムのキックなどがアレンジされている。。
例えば4小節目は、管楽器とベースがユニゾンしているが、あえてドラムはメロディをなぞるようなことはしていない(ついやってしまいがちなところであるが)。
このように、管とリズム・セクションの三者が、それぞれあわせるところとあわせないところがよく考えられている。ジャズでは、よい意味でも悪い意味でも「適当」に演奏されると思いがちであるが、この曲のテーマ部分は、全パートほとんど書き譜ではないかと思われる。いわゆるハードバップの曲のなかには、この曲のように、ピアノのコンピングやベース・ラインまでしっかりアレンジされていると思われる曲もある。
もちろん、そのとおりに演奏しなくてはいけないということでは決してないのだが、このような事実をしっかりと認識しておくことはとても大切なことだと思う。
シャウト・コーラス #
ハード・バップの特徴として、比較的よくシャウト・コーラスがでてくることである。
シャウト・コーラスは、インターリュードやヴァンプなどとは異なり、あくまでもコーラスの構成内で編まれたメロディやリフである。この曲の場合、管楽器のオクターブ・ユニゾンが4小節のモチーフ(単純な繰り返しではないけれども)を演奏している。