The Shadow Of Smile

The Shadow Of Smile

基本データ

  • 作曲年:1965年
  • 作曲:Johnny Mandel (1925-)
  • 作詞:Paul Francis Webster (1907-1984)

参考音源

Oscar Peterson / Blues Etude (1966)
この人の流行曲への反応はいつも速い。この曲も単なるおざなりなカヴァーではなく、イントロ、後テーマ前のアンサンブル、ほんのわずかなリハーモナイズ(テーマの23-24小節目)など、完全に自分の作品に作りかえている。キーはEm/Gだが、テーマの30小節目直後からのヴァンプはGmとなっている。
Lou Donaldson / Mr. Shing-A-Ling (1967)
ボサノバ風で演奏している。キーはFm/A♭。

曲目解説

1965年の映画 The Sandpiper(邦題『いそしぎ』)の主題歌。

メロディとコード

キーをEm/Gとして説明する。

マイナー・キーで始まり、平行調のメジャー・キーで終わる曲は少なくないが、それらの大半は、トニック・マイナーに始まり、平行調のトニック・メジャーで終わる。ところが、この曲の場合、トニック・マイナーでは始まらない。

1-3小節目

マイナー・キーのいわゆる「トゥ・ファイブ・ワン」である。マイナー・キーの多くの「トゥ」がIIm7(♭5)であるのに対して、この曲の1小節目はIIm7(F♯m7)であることに注意。これは、メロディがC♯(階名ファ♯)であるからである。このおとはメロディック・マイナー・スケールに由来する。

2小節目は、ドミナント。メロディにD♯(階名ソ♯)とC(階名ファ)があるので、ハーモニック・マイナー・スケール由来。

4小節目

3小節目のトニック・マイナーEmを主とするリレイティブ・コードで、かつ平行調のダブルドミナントを兼ねたピボットである。

27小節目、29小節目

このあたりはいろいろなリハーモナイズが考えるなかで、特に27小節目と29小節目の2拍目ウラにあるメロディの音には十分注意する必要がある。

つまり27小節目の前半はハーモニーの流れからB7altにはしにくいし、29小節目はAm7にはならない。