St. Thomas #
基本データ #
- 作曲年:1955年頃
- 作曲:Sonny Rollins (1930- )
参考音源 #
- Sonny Rollins / Saxophone Colossus (1956)
- 名盤中の名盤の1曲目。カリプソ風のリズムからスウィングへ。キーはC。
- Jim Hall / Live In Tokyo (1976)
- ギタリストのジム・ホールもこの曲がお気に入りだったのか、何度か録音している。日本でのライブ盤では、たまたま移動中の列車の車内放送で覚えたのか、ソロの途中で「鉄道唱歌」を引用している。途中から16小節のフォームから自由なフォーム(GリディアンというよりはむしろAミクソリディアンonG?)へ展開させている。キーはC。
曲目解説 #
テナー・サクソフォンの巨匠、ソニー・ロリンズの名作だという認識に特に疑問を持たずにいたのだが、一説(例えばWikipedia(英語版)の記事)によれば、実際にはThe Lincolnshire Poacherというイギリス民謡が変化したものだという。
ピアニストのRandy Westonは、Saxophone Colossusの前年にGet Happyというアルバムを録音しているが、これにはよく似た曲がFire Down Thereというタイトルで収録されている。
ただ、こんにちわれわれがこの曲を演奏をするときには、ほぼロリンズ作のSt. Thomasという認識であるし、実際Saxophone Colossusの以降の演奏から直接間接に影響を受けたり参考にしたりすることが多い。ゆえに、曲の成立過程には若干の疑問があるが、以下、Rollinsによるオリジナルという扱いでこの曲を解説する。
メロディとコード #
キーをCとして解説する。
1-4小節目 #
Rollins(1956)は、Cmaj7 | Em7 A7 | Dm7 G7 | Cmaj7 | のように演奏している。
ただし、メロディがシンプルなので、コードも極力シンプルにするというアイディアも可能であろう。例えば、Hall(1976)はCmaj7 | Cmaj7 | G7 | Cmaj7 |というように演奏している。
9-12小節目 #
Rollins(1956)のテーマでは、Em7(♭5) | A7 | Dm7 | G7 | である。ただ、ソロの展開で、Em7としたり、Dm7をDm7(♭5)としたりしている。
私個人の意見だが、勝手にそのようにするのではなく、メンバーの相互作用から自覚的にサウンドをコントロールしたり提案したりすることがアンサンブルに求められると思う。
13-16小節目 #
Cmaj7 C7/E | Fmaj7 F♯ | C/G G7 | Cmaj7 | Cmaj7 || といったところ。