Wave #
基本データ #
- 作曲年:1967年
- 作曲・作詞:Antônio Carlos Jobim (1927-1997)
参考音源 #
- Antônio Carlos Jobim / Wave (1967)
- Claus Ogermann編曲。キーはD。
- Frank Sinatra / Sinatra & Company (1969)
- Jobimとの共演盤。キーはE♭。
- Ahmad Jamal / Awakening (1970)
- 前年のSinatraの録音がリリースされた年の録音。ややアップテンポで演奏される。キーはF。
- Joaõ Gilberto/ Amoroso (1976)
- ポルトガル語で歌う。キーはC。
曲目解説 #
Jobimによる作品のなかでも比較的有名で演奏の機会も多い。またポルトガル語と英語、いずれの歌詞もJobim本人による。
コードとメロディ #
以下、キーをDとして記述する。
イントロとエンディング #
イントロとエンディングのメロディは、Jobim (1967)のものが引用されることが多い。
また、コードについて、1小節Dm7 G7の繰り返しで演奏されることが多いが、Jobimの初録音やSinatraとの共演盤(1969)では、Dm7 G/Dのように演奏されていて、ベースは一貫してDから動いていない(Sinatraのエンディングでは多少アクティブな動きをしているが)。
ブリッジ #
Jobimの初録音ではブリッジ(25-32小節目)のコード進行でベース音に指定がある。Sinatraとの共演盤(1969)やGilberto(1976)などボサノヴァで演奏する際の標準となっている。
Gm7 | C7/B♭ | Fmaj7/A | Fmaj7/A |
Fm7/B♭ | B♭7/A♭ | E♭maj7/G | A7 |
その他注意点 #
6小節目 #
サブドミナント・マイナー。メロディの音はGとF♯からなり、このF♯音はあまり神経質になることはないが、個人的にはGm6のようなコンピング、スケールはドリアンよりもメロディック・マイナーが適切のように思う。好みの問題かもしれないけれども。
7小節目 #
F♯m7のコードが書かれている譜面も目にするが、ここはF♯7が正しいしふさわしいと思う。
次の8小節目(B7)にかけて、F♯713 F♯7(♭13) | B79 B7(♭9)という常套的なボサノヴァの内声のラインができる。
9小節目 #
ここの小節もEm7ではなく、E7とすべきであろう。