What Is This Thing Called Love?

What Is This Thing Called Love?

基本データ

  • 作曲年:1929年頃(出版は1930年)
  • 作曲・作詞:Cole Porter (1891-1964)

参考音源

J. J. Johnson-Kai Winding / J And K (1954)
アルバム全体にいえることだが、演奏全体はもちろん、特にアレンジメントも意欲的な内容になっている。キーはC。
Clifford Brown-Max Roach / At Basin Street (1956)
クリフォート・ブラウン、リッチー・パウエルにとっての最後のスタジオ・セッション。キーはC。
Sonny Rollins / Night At The Village Vanguard (1957)
オリジナル盤には収録されなかったが、後年CD2枚組で再発されたときに収録された。ウィルバー・ウェアとエルビン・ジョーンズとのトリオ。キーはC。
Bill Evans / Portrait In Jazz (1959)
スコット・ラファロとポール・モチアンとのトリオ。キーはC。

曲目解説

1929年のミュージカル・レビュー Wake Up And Dream の中で使われた。

コードとメロディ

ここでは、キーをCとして説明する。

作者のコール・ポーター自身が語っているように、和声的少し戸惑うこともある。

私は以下のように考えるが、もちろん、1-6小節目を同主調の文脈で考えることもでき、そのほうがシンプルかもしれない(たとえばYou And The Night And The Musicの最初の8小節のように)。

1-4小節目

まず、3-4小節目のFmは、サブドミナント・マイナーであり、1-2小節目はそのためのドミナント。サブドミナント・マイナーは当然メジャー・キーでも使われるという知識は前提となってくる(典型的な進行は、IVmaj7-IVm-Imaj7で、これは数多くのスタンダード・ナンバーに出てくる進行だが、わかりやすいのはCandyやJust Friendsの冒頭をあげればよいだろうか)。

5-8小節目

また、7-8小節目のCmaj7は当然トニック・メジャーであり、5-6小節目はそのためのいわゆる「トゥ・ファイブ」である。俗に、「メジャーのトゥ・ファイブ」(IIm7-V7-Imaj7)、「マイナーのトゥ・ファイブ」(IIm7(♭5)-V7-Im)ということがあるが、メジャー・キーであってもIIm7(♭5)-V7-Imaj7となることもあるし(たとえばこの曲のほかにAll Of Meのオリジナル・メロディに対する29-32小節目はI Love Youの冒頭)、また、マイナー・キーであってもIIm7-V7-Imとなる場合もある(たとえばA Shadow Of Your Smileの冒頭。キー全体としてはメジャー・キーだが、ここは平行調の文脈で読むのが正しい)。

17-20小節目

ここは一時的にB♭maj7へ転調していると素直に考えてよい。ただし、15-16小節目から見ると、Cmaj7 – Cm7 -F7 – B♭maj7となっていて、これはHow High The Moonに見られる転調。このとき、Cm7は原調のトニック・マイナーと転調先のIIm7のピボットと考えることもできる。

7-20小節目

ここは一時的にB♭maj7へ転調していると素直に考えてよい。ただし、15-16小節目から見ると、Cmaj7 – Cm7 -F7 – B♭maj7となっていて、これはHow High The Moonに見られる転調。このとき、Cm7は原調のトニック・マイナーと転調先のIIm7のピボットと考えることもできる。