Who Cares?

Who Cares? #

基本データ #

  • 作曲年:1935年
  • 作曲:George Gershwin (1898-1937)
  • 作詞:Ira Gershwin (1886-1983)

参考音源 #

Kenny Dorham / ‘Round About Midnight at the Cafe Bohemia (1956)
オリジナル・アルバムには収録されなかったが、コンプリート版で聞ける。キーはC。
Cannonball Adderley / Know What I Mean? (1961)
ビル・エバンス、パーシー・ヒース、コニー・ケイというリズム・セクション。キーはC。
Ella Fitzgerald-Louis Armstrong / Nice Work If You Can Get It (1983)
ヴァースから歌う。キーはG。

曲目解説 #

1931年のミュージカル Of Thee I Sing の挿入歌。

コードとメロディ #

さまざまなドミナント・セブンス・コードが登場する。同じルートとのマイナー・セブンス・コードとの区別も含めてきちんと整理しておこう。キーをCとする。

1-2小節目 #

1小節目はトニック・メジャーのCmaj7で、2小節目はB7である。

このB7は、3小節目のE7へのドミナントである。メロディがルートなのでスケールやテンションの選択に悩むかもしれない。

VII7は特にトニック・ディミニッシュ代理の場合に半音-全音ディミニッシュのことが多いが、ここでは単にIII7へのドミナントである。したがって、トーナルセンターが♭9にあたるため、♭9・♭13のテンションの組み合わせ(ソロ中はオルタードだろう)でもよいし、♮9・♮13の組み合わせ(ミクソリディアンもしくはミクソリディアン♯4)でいけないということもない。

なお、2小節目のB7は「理論的」には省略してCmaj7のままでも構わない。実際、ジュディ・ガーランドやFitzgerald(1983)の録音では省略されているが、省略されないケースも少なくない。

3-4小節目 #

E7である。メロディがCなので、Em7になりえない。Cは♭13にあたるが、このテンションは♭9を伴うことが多いことを覚えておこう。ソロ中はオルタードとなるだろう。

5-6小節目 #

A7で、ここもメロディが♭13のFなので、♭9・♭13で決まり。

10小節目 #

Am7でもよいが、E♭dim7またはEm7-E♭dim7という録音も少なくない。

14小節目 #

Am7である。メロディがG-D-Cと動くのでA7は誤り。

15-16小節目 #

メロディがE♭なので、Dm7は誤りでD7が正しい。

D7はダブル・ドミナントであるが、トライトーン代理のA♭7がよく好まれ、さらにE♭m7 A♭7 | Dm7 G7 | と演奏されることも少なくない。

25-28小節目 #

この曲でもっともバリエーション多い箇所であろう。

Dorham(1956)のEm7 Am7 Em7 A7 はこんにちの感覚からするとややお粗末な印象がある。Adderley(1961)のように26小節目をF7とするとよりジャズ的であるが、オリジナルは26小節目後半がE♭dim7、次がDm7のようである。また、27小節目をEm7(♭5)とするのも有力な選択肢となろう。