Yardbird Suite

Yardbird Suite

基本データ

  • 作曲年:1940年頃?
  • 作曲・作詞:Charlie Parker (1920-1955)
  • 別名:What Price Love?

参考音源

Genius of Charlie Parker(1946)
この曲の初録音。Savoyレーベル。キーはC。
Fats Navarro (1948)
パーカーよりはかなりゆったりしたテンポで、コードも少し違う(2小節目が♭VI7)。パーカー自作の歌詞をアール・コールマンが歌う。キーはB♭。
Bob Dorough / Devil May Care (1956)
Bob Dorough自作の歌詞を歌っている。キーはC。
Eddie Jeferson / Come Along With Me (1969)
これはEddie Jeferson自作の歌詞。キーはC。

曲目解説

こんにちYardbird Suiteというタイトルで知られているが、もともとWhat Price Love?というタイトルで、パーカー自身による歌詞もついている。

パーカーが所属していたジェイ・マクシャン楽団が1940年頃に録音しようとしたが、プロデューサーが別の曲を求めたという記録がある。結局、1946年のパーカー自身によるサヴォイ盤まで録音の記録は見つからない。

なお、組曲でもないのになぜYardbird Suiteなのかと長いあいだ疑問に思っていたが、これはイゴール・ストラヴィンスキーのバレエ組曲『火の鳥』の英題、Firebird Suiteのパロディということらしい。もちろん、Yardbirdはチャーリー・パーカーのニックネーム。

歌詞

チャーリー・パーカーの歌詞にほかに、ボブ・ドロウ、エディ・ジェファーソンがつけたものが確認された。

メロディとコード

キーをCとして解説する。

2小節目

Fm7 B♭7とされることが多い。これはサブドミナント・マイナーとそれに関連するコード。

ただし、Navarro(1948)では、A♭7としている。これはダブルドミナントD7のトライトーン代理というよりもむしろ、サブドミナント・マイナー的なサウンドという理解もできるのではないか。サウンド・マイナーは、まず階名ラ♭(キーがCの場合A♭)が含まれていることが重要であるが、A♭7が想定するスケール(A♭ミクソリディアン♯4)にはFmトライアドの音がすべて含まれるのである。

5小節目

D7であるが、理論的にはDm7も可能である。これまでの解説で何度も繰り返してきたが、このサウンドの違いを区別できるように。そして、きちんと自覚して演奏に活かせるように。

23小節目

同上。