You And The Night And The Music

You And The Night And The Music

基本データ

  • 作曲年:1934年
  • 作曲:Arthur Schwartz (190-1984)
  • 作詞:Howard Dietz (1896-1983)

参考音源

Hampton Hawes Trio / Vol. 2 (1956)
軽快なスウィング。よくアレンジされている。キーはCm。
Chet Baker / Chet (1958)
とてもゆっくりしたテンポ。キーはCm。
Bill Evans / Interplay (1962)
トランペット、ギター入りのクインテットの名盤。キーはCm。

曲目解説

メロディとコード

キーをCmとして解説する。

3小節目

いきなりFmへのセカンダリ・ドミナントであるC7に進行してもよいし、Cm-C7のように一度トニック・マイナーに進んでからでもよい(Evans 1962は前者、Hawes 1956は後者)。

5-7小節目

Dm7(♭5)-G7(♭9)でCmに行くとみせかけて同主調のトニックCmaj7に進行している。Dm7(♭5)のとき、2拍3連音符のメロディの繰り返しの3音目のE♮は、特にCmaj7の暗示ではなく、1小節目と同様単に半音階的なモチーフにすぎないと考えるほうが妥当だろう。したがって、かならずしもDm7(♭5)が♮9thのテンションを取る必要はない。

21-24小節目

A♭7 | A♭7 | G7 | G7 | という方法がシンプル。G7のところをDm7(♭5) | G7 | にしてもよいが、Baker(1959)のはメロディにあわせて、G7 Dm7(♭5) | G7 | のようにしている。

このほか、22小節目をAm7(♭5) D7 としたり、全体をFm7 | Fm7/E♭ | Dm7(♭5) | G7 | とするなどの進行が考えられる。

29-32小節目

この曲はAABA形式だが、ブリッジあとのAの後半は、冒頭のAと後半と比べてメロディ、コード進行ともに少し異なることに注意。

31小節目のコード進行は、一般的にA♭7 G7 といったところだろう。A♭7はD7としても構わない。いずれにしてもダブル・ドミナント(のトライトーン代理)と考えることができる。

なお、ついDm7(♭5)としてしまいがちだが、メロディの音がE♭で、ルートからみて♭9の音にあたる。ハーフディミニッシュ・コードにおいてこの音はオヴォイド・ノートとみなされるために誤り。この間違いはしばしば散見されるので注意したい。