Young And Foolish

Young And Foolish #

基本データ #

  • 作曲年:1954年
  • 作曲:Albert Hague (1920-2001)
  • 作詞:Arnold B. Horwitt (1918-1977)

参考音源 #

Everybody Digs Bill Evans (1959)
ゆったりしたテンポでヴァースから演奏される。キーはCで、始まり、D♭、さらにEに転調する。転調に伴い、フォームも少し変更してある。
The Tony Bennett-Bill Evans Album (1975)
こちらもテンポはゆっくり。キーはC。
Charlie Haden / American Dreams (2002)
ストリングス入りのアルバム。ヴァースから演奏され、キーはB♭。

曲目解説 #

ミュージカル Plain and Fancy で使われた。

メロディとコード #

キーをCとして、ここではビル・エヴァンス(1959年のトリオと、1975年のトニー・ベネットとのアルバム)の演奏を手がかりにジャズのリハーモニぜーションを考える手がかりとしたい。

なお、Haden(2002)のアレンジも、エヴァンスのコード進行を下敷きにしているように思われる。

1-4小節目 #

1-2小節目はふつうのイチ・ロク・ニ・ゴ、すなわちCmaj7 Am7 | Dm7 G7 | で演奏できる(ここではA7としないほうがよいだろう)。また、3-4小節目は、Cmaj7 | Gm7 C7 | と、トニックと、サブドミナントへのドミナントと、それに先行するリレイティブ・コードとすることができる。

ところが、エヴァンスは、2小節目の前半をA♭7(ダブルドミナントのトライトーン代理)、また3小節目の後半をA♭dim7としている。

このように、ジャズのリハーモニぜーションでは、メロディを引き立てるための効果的なコードが選択される傾向にある。この際、可能な限り機能的には無理のないものが選択される傾向がある(奏者にもよるけれども)。

なお、75年のベネットとのアルバムでは、59年のトリオのコードをさらに変更し、1小節目の2拍目にB♭を追加している。

5-8小節目 #

5-7小節目は、Fmaj7 | Em7(♭5) A7 | Dm7 | であり、8小節目はいろいろなコードの可能性があるが、オリジナルではどうやらG7のようである。

ところが、Evans(1959)では、Fmaj7 | B♭7 A7 | Dm7 | Dm7 D♯dim7 | としているし、Bennett-Evans(1975)では、Fmaj7 B7alt | B♭7 A7 | Dm7 / B♭7 A7 | Dm7 D♯dim7 | と変更している。

5-8小節目 #

5-7小節目は、Fmaj7 | Em7(♭5) A7 | Dm7 | であり、8小節目はいろいろなコードの可能性があるが、オリジナルではどうやらG7のようである。

ところが、Evans(1959)では、Fmaj7 | B♭7 A7 | Dm7 | Dm7 D♯dim7 | としているし、Bennett-Evans(1975)では、Fmaj7 B7alt | B♭7 A7 | Dm7 / B♭7 A7 | Dm7 D♯dim7 | と変更している。

15小節目 #

16小節目(G7)に続くDm7として演奏することもできる(いわゆるトゥ・ファイブ)。ところが、EvansはA♭7としている。これはダブルドミナントのトライトーン代理と考えることもできるが、いずれにせよメロディ(D)とルートの重複を避けたかったという意図もあるかもしれない。