さて、では今日は見てきた春画についてお話しましょう。
結論から言えば、もっとグロテスクなものかと思っていましたが 予想よりもユーモラスを感じました。現代のポルノは女性にとっては 嫌悪感を抱かせるものですが、それはなかったですね。 ピカソのエロチカを連想させるものがあったので、古美術商の方に そうお話したら、「実はミラノで、北斎の春画とピカソのエロチカを 隣接した部屋で展示するという企画展をしたのですよ。ピカソの部屋は 白に、北斎の部屋を黒で。」と言われ、「あら、私の着眼点もなかなかじゃない」 と、ちょっと天狗になった私です。
ピカソも北斎も、非常に多作の人で知られています。 多作であるということは、とりもなおさずエネルギーが あふれているということでもあり、そして二人とも90以上まで 生きたという長命の人でもあります。ダグラス・デイ・ダンカンという 人が撮った、70を過ぎたピカソの日常を撮った写真集がありますが 「おじさん」は嫌いな私でも惚れてしまいそうなほど魅力的です。 北斎はその肖像画で見る限りでは痩身かつ、長身でピカソとは対照的な イメージですが。
「大人の文化の香り」のするちょっとお酒を飲めるようなスペースを
北斎の春画を飾って演出したい、というのがその古美術商の方の
お話でした。さて、どんなお店になるのでしょうね。