2002/08/08神道

この間の新聞で、中上健二の娘が作家として活躍していることを知った。 そして、その一ヶ月ほどまえ、やはり新聞で晩年、中上健二は神道に傾倒していたことも 知った。彼が亡くなったのは46歳。私もその年齢に近づきつつある。 私は2年程前、春日大社の宮司「葉室頼昭」の「神道について」という本を読んで 深く感銘を受けた。そしてその昔読んだ手塚治の漫画「火の鳥」も神道の考えを 基本にしていたのだなと、気づいた。今ここで、神道について語れるほどのものを 私は持っていないが、多くの才能有る作家がいろいろ学ぶうちに日本人の バックボーンとしての神道に辿り着いているのはとても興味深い。

戦後、占領下におかれた日本は、そこで伝えるべき背骨を見失ってしまった。 それが、今の日本の混乱につながっていると私は感じている。 私自身、しっかりとした背骨を持っているとは言いがたい。 法的にはなんの拘束力がなくても「守らなくてはいけないから守る」と いう、そういう暗黙の了解の下にある決まりごと。 そいうものを日本人は失ってしまった。どうやれば、取り戻せるのだろうか。