| 2002/12/18 |
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義母が亡くなって9年義父が亡くなって7年になります。義父母が亡くなるまで 私は一度も嫌な思いをさせられたことはなく、本当に稀有なほどりっぱな両親でした。 あくまで自分に厳しかった義父。常に「どうすることが相手の喜ぶことか」が思考回路の 第一回路であった義母。とかく人は無意識の内に「どうふるまうことが常識的か」 「どうふるまえば、りっぱに見えるか」と考えるものですが、二人にはそれがありませんでした。 ごく側で身内として存在している私には、それが本当によく分かりました。 義父は晩年、前立腺癌が骨に転移していましたが、ぎりぎりまで自力で散歩をし 毎晩、我が家に食事に訪れそれは見事に背筋を伸ばして食し、その後、食器を きちんと流しまで運び「ありがとう。ごちそうさま。」と同じマンション内にある 自分の部屋まで帰って行くのです。 義母は最後の半年を病院で暮らしましたが、お見舞いに行くたびに 帰る私たちのことの方を気遣い「気をつけて帰るのよ。」と声をかけ 駐車場に停めてある車に向かう私たちに病院の窓から手を振り続けていました。 12月は義父の誕生日と命日があるので、また二人の姿を思い出しました。
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