2002/12/21

今日はとりわけて寒い雨の休日でした。 あるホテルの前を通りかかったら、大きなガラス窓の向こうには 暖かい黄色い光が溢れ、高い天井の下の居心地のよさそうな革のソファーに 人々が深々と腰掛け、皆、楽しそうに談笑していました。

その光景を見たとたん、幼い頃読んだ「マッチ売りの少女」の絵本の絵が 脳裏によみがえりました。

ガラス窓の向こうに、クリスマスを楽しむ一家の姿が見える。その手前の 雪のふりつもる街路で少女がその姿をそっと覗きこんでいる。

「マッチ売りの少女」はなんとも不思議な印象を幼心に与えた絵本でした。 とっても悲しくて涙が出るのに、でも死んでおばあさんの所に行った少女は 幸せになったような気がして安堵するのです。

私は5分後にはその居心地のいいソファーから一人で窓の外を眺めました。 私も幸せの国の住人に見えるでしょうか。