2003/02/15

「やっぱり、関西弁の会話ってええねえ」

病院の食堂で、向いに座っていた御婦人から急にそう話しかけられました。 私は母と話す時は関西弁です。しばらく、「関西出身」というそのご婦人と 関西談義に花が咲いた後、彼女がスタッフカードを首から下げているのに ふと目が止まり「ここで働いていらっしゃるのですか?」とお尋ねしました。

「小児病等でね。学校の先生をしているのですよ。小学校一年から高校3年生までの  数学をね。」 「まあ、ほんまに偉い子もおるんですねえ。病気でも勉強するんなんてねえ」 と、昔、勉強が嫌いだったという母は一人感心しています。

「体調の悪いときは別ですけどね。単調な病院生活だから、子供は喜びますよ。  新しいことを知るのは楽しいですからねえ。もちろん精神的に不安定だから、  時々、大変ですけどね。」

どんなに頭のいい学者でも、最初はなにも知らなかった。 はじめて、この世に「恐竜」というものが存在していたことを 知ったときの驚き。空に輝く星の光が何万年も前からやってきたという事実。 微分積分のあざやかさ。この地球上でいろんな人間がいろんな歴史を繰り返して きた業の不思議。

ベットの上の子供たちを不思議ワールドに導く仕事。

「学ぶことの喜び」を久しぶりに思い出した一瞬でした。