2003/02/23

「戦場のピアニスト」を観てきました。

戦争や事故が起こるたびに思うのは「運」ということです。 特に戦争などでは、「運」としか思えないようなことで生死が左右されます。

主人公のピアニストは「アンネの日記」のアンネのように、一時、友人の家に匿って もらいます。私は、この「かくまってあげる人」のように「自分の多大な犠牲を払って」正義を行う人には本当に 頭が下がります。

そして、物語は進み、ドイツ敗戦もまじかにせまったある日、ドイツ人将校は隠れていたその ピアニストを見つけますが、「たまたま」会話の中で彼がピアニストであることを知り ピアノを弾かせ、その曲に心打たれた彼は、そのピアニストを見逃し、食料を与え 缶詰を食べられないでいた彼に「缶きり」まで与えるのです。

でも、私はこのドイツ人将校には頭は下がりません。それくらいのことなら 私にでも出来るからです。(笑)

たまたま、時代で圧倒的優位にたった人間が、自分にとってはいとも簡単に出来ることで しかも相手にとっては感謝しきれないようなこと、それをしてやる。 これは美談でもなんでもないと思うのです。その程度のことは「普通」の感性を 持った人間は等しく行うべき、行える、行為であるはずです。

でも、話をもとに戻すならば、そのピアニストはその「幸運」にも助けられて ホロコーストを生き延び、助けた側の将校は時代の波に飲まれて捕虜として死んでいきます。

生まれた時代と国の運にほんろうされる。 それを描いたこの映画はずっしりと重い映画でした。