2003/04/27

その道はピンクでした。

前夜の雨と風で、遅咲きの八重桜が、そのたっぷりの花びらを全て落としていたようです。 普通なら風に寄せられて道の片方に吹き溜まっていたはずのその花片は 見事にアスファルトの路面をぴったりと覆い尽くしてピンクの道が出来ていたのでした。

染井吉野より、少し濃いピンクの八重桜は、灰色のアスファルトに負けない 力強さで道を染めていました。

少し上り坂になったその道を下からゆっくり登りました。 振り返ると、見知らぬ人が道にカメラを向けていました。

なんの変哲もない住宅街のその道は他に人影もなく 雨上がりの美しい朝でした。