| 2003/05/16 |
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子供の頃、いつも不思議で、そして今も何故そうなるのか 実は知らないことがある。 他愛のない目の錯覚なのだろうけれど。 階段に映る自分の影は階段の形にだんだんに見え、隣で階段を 上っている友人の影はまっすぐみえる。 小学校の朝礼が終わって、校庭から校舎に戻るとき、 グラウンドと校舎の間のコンクリートの階段を上りながら 私は自分の影と隣の影を見比べて、いつも不思議だった。 子供の頃の素朴な疑問は、だいたい成人する途中で氷解するのだけれど 未だにこれは解決していない。よく目にする「なぜ、どうして問答集」の類にも この問題は扱っていなかった。 それにしても、私は長い間、自分の影を見ていない。 いつもあるはずの影なのに、要は全然意識に上らせていない。 どうして、子供の頃はあんなによく、自分の影を見ていたのだろう。 影だけではない。天井の節穴だとか、壁に出来たしみだとか 空の雲だとか。どうして、あんなに簡単に空想の世界に 遊びにいけたのだろう。
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