2003/07/10

父が癌の手術をしたあと、私も両親も、あるプロバイダーと契約して 今はやりのIP電話で話せるようにしたのです。おかげさまで神戸と横浜なのに いくら話しをしてもただ。

とても気楽にちょくちょく電話するようになりました。

その小さな変化に気づいたのはつい最近です。

電話をすると、昔は無口だったはずの父が良くしゃべり、昔は聞き上手だった母が これまた良くしゃべるのです。両親ともに気づけば70の坂を越えていました。

結婚を機に、生まれ育った神戸を離れ、電話でだけ連絡をとることが多い生活が 始まった私たち。思えば、昔は父は電話に出てもすぐに母に代わっていたし 私は母を相手に、嬉しい話があれば喜んでくれるように、またいやなことがあれば なるべくそれを悟られないようにと電話したものでした。

今、私の娘たちが、一方的に自分のことをとんでもない早口でまくしたてているのと 同じように・・・

いつのまにか聞き役にまわっていた私。電話口で日々のいろいろな細かいことを話す両親の 言葉に耳を傾けながら、きっといつかは、あのおしゃべりで、自己中の娘たちも 電話口で私のよんどころない話にあいづちを打つ日がくるのだろうと、 こうして、子供は親に甘え、今度は親に甘えられるときがくるのだと、巡る時間を 感じたことです。