2003/08/14

温泉宿では、皆、多少なりともお酒を楽しみ、ゆっくり食事をする人が多いでしょう。 だから、ほんの気持ち早くくつろぐのをやめて湯に行くと、その広い湯船を独占できることが 多いのです。

静かで、ひとけがなく、水にぬれた石の床に湯があふれ、壁にともった灯りを ゆらゆらと映します。

畑毛温泉には38度という低めの温度の源泉をそのままひいた浴槽があり ひのきでできたふちまわりにあごをのせてぼおっとしていると、いくらでも つかっていられます。

ふと、そのヒノキの上にニ、三センチの小さなかげを見つけ、目をこらしたら それは蛙でした。いくら低温とはいっても、蛙にはゆだる温度だろうと 思いながらじっと見ていましたが、蛙は蛙で暗い水辺でシルエットになったまま じっとしています。

この珍客と私二人。静かに静かに30分以上の時間を共有したことです。

(明日からまた神戸に参ります。一週間ほどの夏休みです。しばらく日記をお休み致します)