| 2003/08/30 |
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銀座にあるコンタックスのショールームで何気なく手に取った写真集は、 初めてカルテイエ・ブレッソンの写真を見たときと同じ衝撃を私に与えました。 土門拳が撮った子供の写真よりも、うんとすんなり腑に落ち、「美しい 日本の昭和」がそこにあったのです。 そこに写し取られた子供も老人も風景も、いきいきとして、優しげで楽しそうでした。 あふれるほど多くの写真が氾濫していますが、これほど心うたれる写真は少ないのです。 そして、巻末の撮影者の言葉を読んで、私はもっと驚き納得しました。 その写真はそのカメラマンが父親に買ってもらったカメラをもって、13歳の頃から 撮りためた写真だったのです。自分が一緒に遊んでいた仲間の子供達や老人や 風景を撮ったものでした。 計算しつくされたかのような構図も、シャッターチャンスも無心の心で なされたものだったのです。 後には女性ヌード写真家のイメージがつよいその写真家に こんな作品群があったことは驚きですが、かけねなしに好きな写真集を 見つけ嬉しい一日となりました。
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