| 2003/09/10 |
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夏に神戸で妹と二人でホテルに泊まった。 その部屋からは夕日がきれいに見えそうだったが 私達はついつい話がはずんではっと気が付くと、もう神戸の山の端に太陽が かかっていた。 あわてて窓辺に近づき、ついでに30センチほどの奥行きを持つ 窓枠に行儀悪くも膝を抱えて座り、二人で沈む夕日を眺めた。 「ねえ、何分ぐらいで全部沈んじゃうんだろうねえ」 「さあ、五分ぐらいかなあ」 と、家族内では物知りで知られる?私は適当に答えた。 が、太陽は5分なんてとんでもない!と思われるスピードで みるみるまに姿を消していき、二人は驚いた。 高校生の頃も、確かに舞子の浜で沈む夕日を何度かみたはずだ。 空がまっかになって、雲もまっかになって、随分長い時間夕焼けを楽しんだような 記憶だった。 太陽そのものだけを見ると、こんなにも短い時間でその姿を消してしまうなんて・・ 私達の命もそんなものかもしれない。 さっきまで、息をしていたのに、あっと見る間もなく消えていって闇が残る。 でも、太陽はまた登るのだ。 命は「遺伝子の連鎖」という形ですでに繋がっている。 私は両親からさずかり、娘達に伝えた。いれこのように宇宙万物全ての 物体と生命は繋がっているという手塚治虫の世界観はまことに科学的にもすごいものだった なあと、また私は知ったかぶりで妹に説明した夜だった。
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