| 2003/09/10 |
|---|
|
子供の頃、雲やモルタル壁の塗りむら、天井の木目を見ては、その中に いろいろな動物の姿を探して時間が過ぎた。 もう少し大きくなって小学校の高学年になると、朝礼での 校長先生の長い訓話の間などに、物語を空想しては遊んだ。 大抵は、地球救う少女が主人公で、それはもちろん私であり、 頭の切れる美少年とペアで活躍する。 中学になれば、空想することもだんだん現実的になり、あこがれの 先輩との架空のデートなどになる。 しかし、子供は大人になっていく。「赤毛のアン」の空想癖が だんだんなくなっていったのと同じように、私もいつしか 空想の世界では遊ばなくなっていた。 あの頃のように、空想の世界を楽しめる日はもうこないのか? それとも再び訪れるのか?あれは未成熟なものの特権だったのか? 無垢で現実を知らないものの宝だったのか?今の私にはいまだ 判断がつかないでいる。
|