2002/10/27テーブルクロス

子供の頃のテーブルクロスの上には透明のビニールシートがかぶせてありました。 食事ごとの醤油のしみや汁の飛び散りなど、悲劇を未然に防ぐ当然の手段です。(笑)

しかし、こまめに台ふきんで拭いていても、なんだかすぐにべたべたして 曇ってくるしろものでもありました。あの頃の食卓は安っぽいデコラ仕上げで べたべたのビニールクロスのしたにある布地の暖かさが、まだデコラより 勝っている・・そんな時代でした。

今、我が家のテーブルにかかっているのは「水をはじく」テーブルクロス。 これはなかなかのすぐれもので、手触りも見た目も布のもつ優しさをそこなわないで、 かつ、食べ方下品な家族がおこす悲劇を防ぎ、かつ、洗濯してテーブルの上に そのままおいて手でしわを伸ばすだけで あくる朝にはピンと乾いているというかわいいやつでもあります。

「イタリアのマダムは麻のテーブルクロスにアイロンをかけ、いつも  しみひとつないクロスが何枚もストックされている」などと 本で読むとあこがれはふくらんだものですが、毎回の食事ごとに 必ずだれかが食べこぼす我が家では、気持ちよさを保つために かえってストレスためそうで、その理想はあえなく当初より捨て去っています。

かくいう私もレストランの布のクロスに食べこぼしの沁みをつけてしまうことも ままあることで、「もうしわけないなあ」とちょっと思いながらも 一組のお客ごとに取り替えられるクロスには心地よい贅沢を感じる私です。