| 2002/10/21 | 食欲 |
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高校生の頃の食欲には自分でも手を焼いた。
男子生徒がびっくりすような大きなお弁当箱に御飯をぎゅうぎゅうにつめ、
それは、箸できりとれば即一口おにぎりに変るような詰め込みかただった。
それを3時間目の休みに食べてしまい、お昼休みには菓子パンをほおばる。 生物の時間に習った「満腹中枢」が私は壊れているのではないかと 思ったほどだ。頭に電極をつけられ、「満腹中枢」を壊されて餌を食べつづける 猫の写真が頭をちらついた。 そんな私が年頃の娘時代、ちょっとした悩み事から体調を崩し、 食べ物が喉を通らなくなった時期がある。 親は心配し、なんとか食べさせようと普段は買わないような高価な食材で 料理までしてくれた。それがまた喉を通らず、私は申し訳なさで一杯だった。 食欲があるということの健康さと当たり前さを感謝するようになる、それがきっかけだった。 その時の感覚は今も私のからだの奥に染み付いている。
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