| 2002/10/7 | 仮縫い |
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若い頃に、少しだけ洋裁を習っていました。
デザインを決め、型紙を作り、布目を整え、布を裁ち、 印つけをして、仮縫いをする・・ 仮縫いをすると、急に洋服の形を示すようになり、初心者には そりゃあ、嬉しい瞬間です。で、試着をすると、いろいろ不都合があるわけです。 家で着てみて、あれこれ「ここをちょっとつまめば」とか小策を弄するわけですが 先生の所にもっていくと、あっさりと仮縫いの糸にはさみを入れられ、型紙を直し 印を付け直し、また仮縫いをするわけです。 私にとっては、断腸の思いの?仮縫いのやり直しも、先生にとっては なんてことはない手作業の一つ。 でも、しばらく習っているうちに、本縫いに比べれば、仮縫いのやりなおしなど 簡単なもので、しかも、そこで手を入れておかなくては後での修正は なんとも、みっともなく、効率が悪いということを、私も悟るに至りました。 「ものごとは、やはり基礎となる土台が大切なのだ。」と 身をもって体験したといえます。 ひょっとしたら、うまくいかないかも・・ という予感を持ちながら、自分を言い聞かせて、 あれこれつじつまを合わせようとしても、結局は はさみをいれてやり直すしかない。 「離婚」などというのも、仮縫いのやり直しに似ているかもしれません。 自分の「身に合う」生活は、結局は一からやり直さなくては なんとも収まりが悪いもの・・ 思い切ってはさみを入れたほうがいい。 最近離婚した友人の顔を思い浮かべながら、ちょっと、そんな風にも 考えました。
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