| 2002/11/16 | 携帯カメラ |
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若かりし高校生の頃、毎日が新鮮で、楽しい出来事にみちあふれていました。
その楽しいことを忘れたくなくて書いていた日記です。
あの頃、まだカメラは日常生活にはなく、行事ごとに何枚かの 写真が残っているだけです。 毎日のさりげない日常を写真におさめておけたら、どんなに楽しいだろうと 考えたことがありました。調度、映画やドラマで良く使われる手法、「フラッシュバック」 のようなものです。毎日ひとこまの写真。それをぱらぱら漫画のように 次々と繰り出せば、そこに一つのその人だけの人生が映りこむのです。 今や携帯電話のカメラがそれをかなえてくれるようになりました。 記憶はいろんな形で残されます。音、香り、言葉、触感。 写真はそれら「感覚の記憶」を超えることはありませんが、 それでも、小さな記憶の断片のありがたい貯蔵庫です。 小さくて、画像もそれほど鮮明ではない携帯に残された写真は、 その時、その場所で私の目に映った風景を切り取ってくれます。 人生は「小さな思い出の積み重ね」・・ オブラートのように薄い小さな時間の断片が、結局はその人の生きかたの 全てかもしれないと感じています。日常のなにげない時間は透明なオブラート。 その間に時々、ピンクやブルーやグリーンの特別な色をおびた薄いオブラートが いろどりを添える。それを含んで全てがその人の生きてきた時間です。
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