| 2002/11/19 | Thank you |
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「Thank you」と、満面の笑みでその中年の金髪女性は通り過ぎました。
調度、たまたま正面からその笑顔を目にした私は、妙に爽やかな気分になりました。
その笑顔は私に向けられたものではありません。
人通りの絶えない駅の改札通路。笑顔の相手は某消費者金融のテイシュを 配っていたお姉さんです。 私も有難く頂戴することもありますが、大抵は無言で どちらかというと「本当は別にもらいたくないけど、差し出せれたから もらっておく」ってな顔をしています。(笑) 配るほうは商売上の笑顔を一生懸命浮かべていることがほとんどです。 「ふううん」と思わず考えてしまいました。 「ありがとう」とにっこり笑って受け取ってみようかと。 そうすることによって、別に私は害を受けることはなく いくらバイトで配っているとはいえ、相手の女性も そのほうが嬉しいに違いない。 きっと、一日中、能面のような顔をして通り過ぎて行く人たちに、 笑顔で配っているに違いない。もし私がバイトでその仕事を していたら、「ありがとう」と笑顔で受け取ってもらえたら なんとなくその一瞬は気分いいに違いない。なんでそんなことに 気がつかなかったのだろう。 「消費者金融」というものに対する毛嫌いする気持ちの 意思表示。そんなものをあの若い人たちにしていったい どういう意味があるのか。 師走の冷たい風が駅前通路を吹き抜ける季節だから 素直に「ありがとう」って笑ってみようかな。 私にそんな風に考えさせた金髪の笑顔でした。
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