2002/12/17面影

今年のお正月は、手術をしたばかりで入院中だった父を囲んで 病院で迎えました。

お正月は一時退院をする人も多く、静かな談話室でした。 静かで、暖かくて、穏やかなお正月でした。

その談話室で顔見知りになった小柄な女性は、 父より先に退院されましたが、 今年の夏に亡くなったと、彼女のお嬢さんから 連絡をいただきました。

延べにしても、十数時間をともに過ごしただけの方ですが、 食事の前に、手を合わせて小さな声でお祈りをしてから 食べ始める姿や、食後、ひとときみんなと話す小さくてかわいい 声や、「もう、あまり長くは生きられない」と廊下で 泣いていたお嬢さんの姿や、そんな断片的な記憶の中で 彼女の面影が私の中で薄れることはありません。

今年も後2週間となりました。