| 2002/12/25 | クリスマスの日に |
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本当に愛している人の苦しみは、我がことのように苦しい。
何もしてあげられないことが、なお苦しい。 窮地に陥った、惨めで弱い自分はだれにもさらしたくないけれど、 その姿に一緒に涙して苦しんでくれる人がいると その人の痛みが、少なくとも孤独の痛みを軽減してくれる。 街はクリスマスのイルミネーションで、幸せそうな人ばかり あふれている。 でも、それは街の表面で、同じ日、同じ時に、 病院で、警察で、街の隅で、工場で、自分の部屋の中で、 疲れきって、憔悴している人もいる。 疲れきったときには、眠らなくては。 眠って起きれば、あたらしい力が湧いてくる。 疲れきった時に、結論を出してはいけない。 はやまってしまってはいけない。 疲れきった人を、優しく抱きしめて 寝かしつける手があれば、その人は立ち直る力を得る。 クリスマスとは、そんな手を持っていた人の誕生日なのかもしれない。
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