| 2004/1/15 | 涙 |
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私は涙もろいほうだが、自分のことでなくことはほとんどない。
失恋して、とか、いじめられて、とか、怒りで、とか。 ドラマで女性が泣くようなシーンで泣くことはほとんどない。 「かっこわるい」とどうも潜在的に思っているようだ。 泣きたいけど泣けなくて話をするとき、どうなるかと 自己観察をしてみると、たいてい、視線は下向き。 上をむくと、目がうるんでくるのがばれそうだからだ。 下瞼で涙が溢れそうになるのを受けるために 微妙に目に力が入り、顔を少し横にそむけて 表情を読み取られないようにする。 だが、声をだそうとすると、たいていは声は小さく ふるえてしまう。 どうしてドラマで女優たちはああも真正面を向いて おもいっきり涙を流す演技をするのだろうと いつも不思議だ。ぜひぜひ私のような泣き方をしてほしい。(笑) 映画やテレビを観て、心の表面で泣くとき、かっと目が熱くなって 涙がでる。でも、もっと心の奥で何かを感じたときは、鼻の奥が熱くなる。 そして、もっともっと悲しいときは涙も出ないと人は言う。 そういう悲しみに、できることなら遭遇したくない。 家族のだれにも、そういう悲しみには遭遇してほしくない。 私の95歳のおばあちゃんが去年の秋に亡くなった。 おかんに横たわるおだやかな顔を見れば、やはり涙はとまらない。 でも、その涙は目を暖かくした。 できれば、残された人がそういう泣き方をするように死にたいものだと思う。
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