2004/7/11隣の席

今日、コーヒーを飲もうと席に座ったら、いきなり隣の席に座っている若いカップルの喧嘩が聞こえてきた。 何しろ隣の席とは30センチと離れていないので、聞こうとしなくても耳に入ってくる。

最初は携帯を見せて、どうも相手が送ってきたメールの文章を確認しているようだった。

何を確認しているのかというと、どの言葉をどう互いが誤解して取り違えたのか・・で、ある。

要は、彼女のほうの携帯が、トラブルでいきなり電池がなくなりはじめ、しかし彼のほうは電池はいきなり なくなるものではなく、だんだんになくなるからそんなにせっぱつまっているとは思わず・・ しかし、彼女のほうは彼が「勘」のいい人だから分かってくれているはずと思い込み・・

まあ、その他にも数々の思い込み、思い違い、そして思いやりもあったがゆえの勘違いを 時々は語調を荒げながらも、でも、両方がきちんと相手の話に耳をかたむけ、どの言葉に 自分がどう感じてどう思ったかを丁寧に話し合っていた。

「良いカップルであるなあ」といい気分だった。どちらも無理ながまんはしていない。 互いに納得するまで相手に質問し、その質問にきちんと答える。特に男性のほうに その態度が良く出ていて、少し感情的になっていた彼女も、だんだんに反省しつつ 納得しているようだった。

どちらかが、納得しないままにがまんする喧嘩。もめるの嫌さに途中であきらめて 退いてしまう人もいるし、逆切れで押し通す輩もいる。相手の気持ちを想像する力のない人は いくら話しても平行線をたどるし、疑問や怒りを理性で抑えて表面上の平和を保つ場合もある。

でも、いずれの人間関係も本当の信頼関係も愛情も生まれることはない。

この二人の場合は「喧嘩」というより「話し合い」という言葉をあてはめてあげたほうが いいだろう。どちらかが、相手の話に耳を傾けないタイプの人間だったら、間違いなく 「喧嘩」になるパターンだった。幸せな人間関係を築けそうな二人だった。

私は一足先に席をたった。