2005/3/22しっぺがえし

「来て嬉し、帰って嬉し」という言葉をお聞きになったことはあるだろうか? これは60代ぐらいのご婦人の会話に聞き耳をたてていると(笑)割とオーソドックスに 使用されるフレーズである。ここでの「来て、帰る」主語は「孫」である。

孫はかわいい。無条件にかわいい。しかし、なんといっても預かり者。怪我をさせてはならない。 子供のあふれるエネルギーに付き合うのは想像以上に大変。おじいちゃんは気分ののったときだけ 手伝っていればいいが、おばあちゃんともなればそうもいなかない。日常の家事に加えて、 食事をさせ、着替えさせ、遊びの相手をして・・・と、楽しくも消耗し、冒頭の「来て嬉し、帰って嬉し」 となるのである。

以前、この日記にも書いたことがあるが、神戸から東京に私がお嫁にきた(古い表現ですね。笑)当初、私が 帰神すると、母は私が東京に戻るとき、いつも鼻の頭を赤くして泣いていた。私と妹は「また赤鼻のトナカイになっている。」とからかったものだ。 しかし、孫である長女が 産まれ、次女まで産まれてしまうと「帰って嬉し」という状況に次第に陥り、次第に泣かなくなった。

昨日まで私の娘二人が神戸の私の実家に遊びに行っていた。娘たちが母の家を出た頃、見計らって 電話したが留守である。数時間してもう一度電話をしたら元気のない声で出てきた。孫が帰ると寂しいから 気をまぎらわすために遊びにいっていたと言っては涙声である。

孫娘も23歳と19歳にもなると、料理は作ってくれる、後片付けもしてくれる、おしゃべりは楽しい。 といいことだらけなのだ。だから、そのしっぺがえしとして「来て嬉し、帰って悲し」と相成るわけである。

それでも孫が遊びに来てくれたほうが嬉しいよね?ね、お母さん。